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三井記念美術館「日本の素朴絵 ― ゆるい、かわいい、たのしい美術 ―」

文 [エリアレポーター]新井幸代 / 2019年7月5日
三井記念美術館の特別展「日本の素朴絵−ゆるい、かわいい、たのしい美術−」は、素人や知識人など、いわゆるプロの画家ではない人たちが手掛けた絵画や立体造形に注目した企画展です。
本展では、ゆるくとぼけた味わいのある表現で描かれた絵画を「素朴絵」と表現しています。企画展タイトルの通り、一言で言えば「ゆるカワ」な絵です。


展示室入口


会場風景(展示室1 立体に見る素朴1)
まずは、屈託のない表情の埴輪がお出迎えしてくれます。
他にも、中世までの仏像や狛犬など神仏にまつわる像が並び、おおらかな表現に和みます。


会場風景(展示室3 素朴な異界1 地獄絵・六道絵)
一転して、地獄の六道を描いた掛け軸は、おどろおどろしい雰囲気を醸し出しています。
しかしながら近づいてみると、とぼけた表情の鬼やヘンテコな生き物などのお陰で悲壮さが感じられません。

続く展示室で、真打登場。
本展監修の矢島新教授(跡見学園女子大学)が素朴絵のピークと評する、16世紀の作品です。

「お伽草子」や「奈良絵本」と呼ばれる絵巻や絵本は、それぞれ作風が異なるものの、味のある人物に妙な構造の建物など、突っ込み所満載です。

絵巻の中には、浦島太郎のお話もありました。玉手箱を開けると中から煙がモクモク…というおなじみの場面では、なぜか浦島太郎の首に筋状の煙が刺さっている独創的な表現となっており、度肝を抜かれました。

個人で楽しむサイズだった絵巻、絵本とは対照的な大型の素朴絵もありました。


会場風景(展示室4 庶民の素朴絵1 大画面の素朴)
寺社への参詣客勧誘と霊場案内のために作られた参詣曼荼羅は、描きこまれた人物を一人一人追いながら参道を辿ると、参詣している気分が味わえます。

その他、屏風仕立てになった物語は、コマ割りの線がない漫画といった感じに一隻の内にたくさんの場面が描かれることで、かえって不思議な空間の妙味を生み出していました。

素人による素朴絵とはまた違った味わいがあるのが、知識人による素朴絵です。
今では当たり前のように存在する、意識的に描かれた素朴絵は、江戸時代中期の禅僧であった白隠の禅画に発端します。


会場風景(展示室7 知識人の素朴絵2)
その後に続く仙厓から耳鳥斎にかけては、素朴より可愛さが引き立ちます。

立体造形で始まった本展のトリは、江戸時代の木彫仏が努めます。


会場風景(展示室7 立体に見る素朴2)
円空も木喰も、全国を行脚しながら衆生救済のために造仏した僧とあって、信者に寄り添ってくれそうな親しみやすいお顔の仏様です。

ゆるく、かわいいものを愛でる気持ちは、昔から脈々と受け継がれてきたのでしょう。
肩肘張らずに楽しめる作品ばかりが並び、普段から美術に親しんでいる方はもちろん、美術館に馴染みのない方にもオススメの展示です。

図録はページのそこここで、絵から飛び出したゆるい生き物たちがお喋り風の解説、突っ込みをしており、本展のゆるカワを更に濃縮した作りになっていますので、お見逃しなく。


会場三井記念美術館
開催期間2019年7月6日(土)~2019年9月1日(日)
休館日月曜日(但し、7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
開館時間10:00~17:00(入館は16:30まで)、会期中毎週金曜日は、~19:00まで(入館は18:30まで)
所在地東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
03-5777-8600 (ハローダイヤル)
HP : http://www.mitsui-museum.jp/
料金一般 1,300円、大学・高校生 800円、中学生以下 無料、70歳以上の方 1,000円(要証明)
展覧会詳細へ 「日本の素朴絵 ― ゆるい、かわいい、たのしい美術 ―」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
新井幸代 新井幸代
興味の幅が広いため、美術館だけでなく、自然科学・歴史系の博物館も好きです。
直感の趣くまま、観たいな、良いな、と思った展覧会をレポートしていきたいとおもいます。
ブログ:~No Love, No Museum.~
http://ameblo.jp/nolove-nomuseum/

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