インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 「みんなのレオ・レオーニ展」

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 「みんなのレオ・レオーニ展」

文 [エリアレポーター]新井幸代 / 2019年7月12日
小学校の国語の教科書に採用されたことで、日本では馴染み深い絵本『スイミー』。作者はレオ・レオーニで、40冊近くの絵本が出版されています。

本展では、『スイミー』を含む絵本原画、絵本作家になる前のグラフィックデザインの仕事、絵画、彫刻、アニメの元絵など、ジャンルを超えた作品たちとレオーニの生涯を、4つのキーワードで紹介する巡回展が、ついに東京にやって来ました。


左)参考『スイミー』絵本 右)『スイミー』原画 1963年 水彩、モノタイプ

レオとアート

展示の始まりは油彩画で、絵本での作風とのギャップに驚きました。


左)〈占い師〉1949〜50年頃 油彩、キャンバス/右)〈ヨーリオの娘(オイディプス王)〉1946年 不透明水彩、キャンバス
このキーワードで選ばれた3冊の絵本は、自分を表現する手段がそれぞれ詩、音楽、絵画という芸術家のねずみのお話です。
「芸術家は社会に貢献する責任がある」というレオーニの言葉を体現するかのような『フレデリック』など、自身を投影するような作品です。

レオーニの絵本は、内容に合わせて水彩、油彩、コラージュ、スタンピングなど様々な技法が組み合わせられています。
コラージュと一口に言っても、乾燥した穀物にはナイフで切ったり、穀物の食べかすやねずみの毛並みは紙をちぎったりと、表現したい質感によって使い分けられていることが、原画を見ることでよく分かります。


『フレデリック』原画 1967年 水彩、パステル、コラージュ、紙

自分探し

自分探しといっても、一昔前に流行ったような、モラトリアムの若者を揶揄するような意味ではありません。
絵本の主人公たちに共通しているのは、誰かと比べたり、羨ましがられたことをきっかけに、今までの行動パターンを変えて、等身大の自分を認識していく姿。
その姿は、子供時代にヨーロッパ、アメリカを転々としたレオーニ自身と重なるようです。


『アレクサンダ と ぜんまいねずみ』原画 1983年 水彩、コラージュ、紙

平和を求めて

ユダヤ人だったレオーニは、第二次世界大戦が始まった年に、イタリアからアメリカへ亡命しています。
この章では、平和を求めて移り住んだアメリカでのアート・ディレクターとしての仕事と、争いの愚かさや平和的解決を訴えるメッセージを含んだ絵本原画が展示されています。


左)ユネスコポスター「世界公開」1955年 印刷、紙/中央)『ザ・ファミリー・オブ・マン(人間家族)』表紙 1955年 印刷、紙/右)ニューヨーク近代美術館創立25周年記念ポスター 1954年 印刷、紙
『みどりのしっぽのねずみ』は、珍しく油彩で描かれた絵本ですが、心の奥の狂気と油彩の重たさが重なります。



『みどりの しっぽの ねずみ』原画 1973年 油彩、ボード

リアル?フィクション?

本物と見間違えそうなにんじんを描いたかと思えば、


『うさぎを つくろう』原画 1982年 色鉛筆、鉛筆、コラージュ、紙
現実、想像の人物が混在する「想像肖像」シリーズ、架空の「平行植物」シリーズなど、物語と現実世界の境界線があいまいな作品が展示され、なかなかシュールです。


展示風景(「平行植物」シリーズ)
レオーニの絵本に関する展覧会は世界各地で開催されていますが、今回ほど包括されたものはないと、レオーニのお孫さんであるアニーさんがお話されていたことが印象的でした。

※許可を得て撮影しています

会場東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
開催期間2019年7月13日(土)~2019年9月29日(日)
休館日月曜日(但し、7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館、翌火曜も開館)
開館時間10:00~18:00(入館は17:30まで)
所在地新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
03-5777-8600 (ハローダイヤル)
HP : https://www.asahi.com/event/leolionni/
料金一般 1,300円、大学生 900円、高校生以下 無料(要証明)
展覧会詳細へ 「みんなのレオ・レオーニ展」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
新井幸代 新井幸代
興味の幅が広いため、美術館だけでなく、自然科学・歴史系の博物館も好きです。
直感の趣くまま、観たいな、良いな、と思った展覧会をレポートしていきたいとおもいます。
ブログ:~No Love, No Museum.~
http://ameblo.jp/nolove-nomuseum/

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
国立西洋美術館「松方コレクション展」
松方コレクション展
東京国立近代美術館「高畑勲展 ― 日本のアニメーションに遺したもの」
高畑勲
森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」
塩田千春
国立歴史民俗博物館「もののけの夏
もののけの夏
Bunkamura ザ・ミュージアム「みんなのミュシャ」
みんなのミュシャ
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
国立新美術館「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」
ボルタンスキー
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
東京国立博物館「日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」」
特別展「三国志」
横浜美術館「原三溪の美術 伝説の大コレクション」
原三溪の美術
東京国立博物館「特別企画 奈良大和四寺のみほとけ」
奈良大和四寺
三菱一号館美術館「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン
M.フォルチュニ
国立科学博物館「特別展 「恐竜博 2019」
恐竜博 2019
パナソニック汐留美術館「マイセン動物園展」
マイセン動物園展
日本科学未来館「企画展「マンモス展」 その「生命」は蘇るのか」'
マンモス展
エリアレポート チームラボ「下鴨神社 糺の森の光の祭」
[エリアレポート]
チームラボ下鴨神社
渋谷区立松濤美術館「美ら島からの染と織 ― 色と文様のマジック」
美ら島からの染と織
国立西洋美術館「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」
[エリアレポート]
松方コレクション展
エリアレポート MIHO MUSEUM「紫香楽宮と甲賀の神仏―紫香楽宮・甲賀寺と甲賀の造形」
[エリアレポート]
紫香楽宮と甲賀神仏
エリアレポート 東京オペラシティアートギャラリー「ジュリアン・オピー展」
[エリアレポート]
ジュリアン・オピー
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 「みんなのレオ・レオーニ展」
[エリアレポート]
レオ・レオーニ展
大阪市立東洋陶磁美術館「フィンランド陶芸+マリメッコスピリッツ」
[エリアレポート]
フィンランド陶芸
エリアレポート 豊田市美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」
[エリアレポート]
クリムト
三井記念美術館「日本の素朴絵 ― ゆるい、かわいい、たのしい美術 ―」
[エリアレポート]
日本の素朴絵
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
特別展 「恐竜博 2019」 特別展「三国志」 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 特別展「ニャンダフル 浮世絵ねこの世界展」 国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展 奇蹟の芸術都市バルセロナ展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、7/30から投票開始です!!
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社