インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  京都国立近代美術館 「ドレス・コード?―― 着る人たちのゲーム」

京都国立近代美術館「ドレス・コード?―― 着る人たちのゲーム」

文 [エリアレポーター]カワタユカリ / 2019年8月8日
会場風景 ミケランジェロ・ピストレット《ぼろきれのビーナス》

今日着ている服はどのように選びましたか?

京都国立近代美術館で「ドレス・コード?——着る人たちのゲーム」展が開催中です。
約5年に一度、同館と京都服飾文化研究財団(KCI)によって開催される企画展。
ファッションに関する展示というと歴史的変遷やまたはファッションデザイナーにスポットをあてたものが多い中、今回は、着ることを通して社会との関係性を考えてみようというもの。
「毎日服を選び、着る」、それは「見る/見られる」ことでもあり、自分と他者との関係性、社会や特定の文化での立ち位置を暗黙のルールに基づき意識させられます。

わかると頷きつつも、改めて向き合うこととなった時間は新鮮でした。

コムデギャルソン/川久保玲 ドレス

タオ コムデギャルソン/栗原たお コート ビューティフルピープル/熊切秀典 コート、セーター、パンツ、ベルト、サンダル アンリアレイジ/森永邦彦 コート、タイツ、パンプス、サングラス

本展はKCIが所蔵する衣装コレクションや映像、写真作品、インスタレーションなど約300点が13のセクション(コード)に分かれて紹介されています。

「裸で外を歩いてはいけない?」「組織のルールを守らなければならない?」「他人の眼を気にしなければならない?」各セクションに掲げられたタイトルは、そう、全て疑問符なのです。
本展担当の牧口学芸員は「自分の問題として謎解きをするように展覧会をみてほしい。」と話されます。

……1コード進むにつれ、私は着るという行為の奥深さを実感することとなります。


会場風景 ハンス・エイケルブーム《フォト・ノーツ 1992-2019》
特に印象に残ったのはオランダの作家ハンス・エイケルブームの《フォト・ノーツ 1992-2019》です。
彼が、同じ日に同じ場所で通り過ぎる人たちの写真を他人にわからないように撮影した作品が壁一面に並んでいます。
同じロゴのTシャツや鞄を持つ人たち、ピンクのダウンジャケットを着る女性たち。

ほんとに?と思わず言いたくなる光景を前に、おもわず笑ってしまいますが、次の瞬間には自分もそこにいるのではないかと恥ずかしくなっていきました。

自分らしさを出すために服を選んでいても、社会の大きな枠の中での小さなことに過ぎないと実感せざるを得ない反面、同じような「らしさ」が増殖し、社会に新しい枠ができていく。私たち一人一人と社会との関係はなんて面白く絡まっているのでしょうか。

着るという日常的行為は無意識に通り過ごせるものであり、意識すると行きつく先が見えないほどの深さがあります。これは、食べる・寝るといった他の日常行為にも通じるのではないでしょうか。

生きているだけで実は社会と密に繋がっている、生きていくためのヒントは、遠くて高いところばかりにあるものではないとも教えられているようです。

13の問いかけは、予想以上に心の奥に響いていきます。


ルイ・ヴィトン/ニコラ・ジェスキエール 背景には都築響一の写真作品
明日から私は何を選び、何を着るのだろうか…と帰路につき、着古した部屋着でこのレポートを書くのでした。


マームとジプシー《ひびの、A to Z》

会場京都国立近代美術館
開催期間2019年8月9日(金)~2019年10月14日(月・祝)
休館日月曜日(休日の場合は翌平日)
開館時間9:30~17:00(金・土は21:00まで、入館は閉館30分前まで)
所在地京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
075-761-4111
HP : https://www.kci.or.jp/dc
料金一般 1,300円、大学生 900円、高校生 500円、中学生以下無料
展覧会詳細へ 「ドレス・コード?―― 着る人たちのゲーム」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
カワタユカリ カワタユカリ
美術館、ギャラリーと飛び回っています。感覚人間なので、直感でふらーと展覧会をみていますが、塵も積もれば山となると思えるようなおもしろい視点で感想をお伝えしていきたいです。どうぞお付き合いお願いいたします。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
町田市立国際版画美術館「美人画の時代―春信から歌麿、そして清方へ―」
美人画の時代
国立科学博物館「特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて」
特別展 ミイラ
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」
美のたからばこ
横浜美術館「オランジュリー美術館コレクション
オランジュリー
国立西洋美術館「ハプスブルク展
ハプスブルク展
太田記念美術館「ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち ―悳俊彦コレクション」'
ラスト・ウキヨエ
東京国立近代美術館工芸館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション
竹工芸名品
東京国立博物館「正倉院の世界
正倉院の世界
五島美術館「特別展 美意識のトランジション ─ 十六から十七世紀にかけての東アジアの書画工芸 ─」
美のトランジション
東京都美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」'
コートールド美術館
国立歴史民俗博物館「ハワイ:日本人移民の150年と憧れの島のなりたち」
ハワイ:日本人移民
上野の森美術館「ゴッホ展」'
ゴッホ展
神奈川県立近代美術館
ふたたびの「近代」
Bunkamura
リヒテンシュタイン
国立新美術館「カルティエ、時の結晶」
カルティエ
福田美術館「開館記念 福美コレクション展」
福田美術館 開館
パナソニック汐留美術館「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」'
デュフィ
三井記念美術館「茶の湯名椀『高麗茶碗』」'
高麗茶碗
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
エリアレポート MIHO MUSEUM「The 備前 ―土と炎から生まれる造形美―」
[エリアレポート]
The 備前
エリアレポート 名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」
[エリアレポート]
カラヴァッジョ
エリアレポート 岐阜県美術館「リニューアルオープン特別企画」
[エリアレポート]
岐阜美リニューアル
エリアレポート 京都国立近代美術館「円山応挙から近代京都画壇へ」
[エリアレポート]
円山応挙
エリアレポート 秋田県立美術館 「特別展 キスリング展 エコール・ド・パリの巨匠」
[エリアレポート]
キスリング
エリアレポート 岡山芸術交流2019 「IF THE SNAKEもし蛇が」
[エリアレポート]
岡山芸術交流
エリアレポート 国立科学博物館「風景の科学展 芸術と科学の融合」
[エリアレポート]
風景の科学展
エリアレポート 横尾忠則現代美術館「横尾忠則 自我自損展」
[エリアレポート]
横尾忠則 自我自損
エリアレポート 中之島香雪美術館 「交流の軌跡―初期洋風画から輸出漆器まで」
[エリアレポート]
交流の軌跡
エリアレポート 県立神奈川近代文学館 特別展「中島敦展 ― 魅せられた旅人の短い生涯」
[エリアレポート]
中島敦
エリアレポート 東京オペラシティ アートギャラリー「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」
[エリアレポート]
カミーユ・アンロ
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 御即位記念特別展「正倉院の世界 ― 皇室がまもり伝えた美 ―」
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 カラヴァッジョ展 ラウル・デュフィ展 ― 絵画とテキスタイル・デザイン ― 特別展 「大浮世絵展 ー 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演 ー」
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社