インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  世田谷美術館 「チェコ・デザイン 100年の旅」

世田谷美術館 「チェコ・デザイン 100年の旅」

文 [エリアレポーター]新井幸代 / 2019年9月13日
アール・ヌーヴォーから現代に至るまで、チェコのデザイン史約100年間をたどる展覧会が開催されています。
これだけ大規模に時代を追って展示するのは、国内初の巡回展とのことです。

第1章

19世紀末から流行したアール・ヌーヴォー。人気作家の1人、アルフォンス・ミュシャ(チェコ語でムハ)は、チェコの出身です。
展示スペースには、ミュシャの作品をメインとして、アール・ヌーヴォー様式の椅子を取り巻くように、鏡やガラスの花瓶、ポスターが展示されていました。


第1章 展示風景

第2章

ピカソ、ブラックにより創始されたキュビズム。チェコでの特徴は、絵画のみならず建築や家具・インテリアなど立体的な分野で発展したことです。
抽象的な幾何学図形で再構成するというキュビズムが三次元に展開された結果、他に類を見ないものとなりました。能より造形美が追求された椅子が印象的でした。


第2章 展示風景

第3章

チェコのアール・デコは、キュビズム由来の幾何学模様と民族的モチーフを組み合わせています。革製の本の装丁に用いられているのが目を引きました。


第3章 展示風景

第4章

1930年代は、工業化の波と装飾性の高いデザインへの反動から、シンプルな機能主義が主流になりました。
展示室中央の、人間工学を重視してデザインされた椅子《シエスタ》を始め、ミニマムな現代的デザインに驚きました。


第4章 展示風景

第5章

1940年代は、ナチス・ドイツの保護領下となり、ガラス、織物などの伝統工業地域を占領されたことと物資不足により、木製品や陶器が作られるようになりました。
民族の伝統意識がデザインに復興した点に、時代性を感じました。


第5章 展示風景

第6章

共産党政権からの規制が緩やかになった1950年代以降、当時の様々な芸術様式に着想を得たり、有人宇宙飛行の成功からインスピレーションを得た製品が作られるようになりました。
レトロでかわいいデザインが多く、明るさを感じました。


第6章 展示風景

第7章

前章から一転、ワルシャワ条約機構軍に侵攻された1970年代の国内向け製品は低品質で、デザイン的に許容できるレベルまで下がりました。
同じ展示スペースに並べられた、1980年代になって生まれたポストモダンの椅子らが対照的でした。


第7章 展示風景

第8章

民主主義国家への復帰によって、本格的にポストモダンが代表様式となりました。
ウレタンフォームを使ったランプ《PUR》など、これまで抑えてきたものを開放したかのような空気感のデザインでした。


第8章 展示風景

第9章・第10章

こちらは、おもちゃ、アニメーションのテーマ展示です。
素朴で暖かみのあるおもちゃのデザインは、素材を変えながら受け継がれていることが分かりました。また、インテリアになりそうなデザイン性の高さが特徴的でした。


第9/10章 展示風景

通観して見ることで、各時代ごとに歴史や政治に翻弄された影響が、デザインにも色濃く反映されていることが良く分かりました。
観覧される際には、椅子や食器など、気になるアイテムに注目すると違いが分かりやすいかもしれません。
デザインの時間旅行から戻ると、チェコという国が、より身近に感じられるようになりました。

会場世田谷美術館
開催期間2019年9月14日(土)~2019年11月10日(日)
休館日月曜日(但し、9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
開館時間10:00~18:00(入場は17:30まで)
所在地東京都世田谷区砧公園1-2
03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://www.setagayaartmuseum.or.jp/
料金一般 1,100円、65歳以上 900円、大高生 800円、中小生 500円
展覧会詳細へ 「チェコ・デザイン 100年の旅展」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
新井幸代 新井幸代
興味の幅が広いため、美術館だけでなく、自然科学・歴史系の博物館も好きです。
直感の趣くまま、観たいな、良いな、と思った展覧会をレポートしていきたいとおもいます。
ブログ:~No Love, No Museum.~
http://ameblo.jp/nolove-nomuseum/

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
森アーツセンターギャラリー「バスキア展
バスキア
国立新美術館「カルティエ、時の結晶」
カルティエ
鳥取県立博物館「殿様の愛した禅 黄檗文化とその名宝」
黄檗文化とその名宝
福田美術館「開館記念 福美コレクション展」
福田美術館 開館
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
太田記念美術館「歌川国芳 ─ 父の画業と娘たち」
歌川国芳
渋谷区立松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」
美のたからばこ
東京国立近代美術館工芸館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション
竹工芸名品
東京ステーションギャラリー「没後90年記念 岸田劉生展」'
岸田劉生
横浜美術館「オランジュリー美術館コレクション
オランジュリー
日本科学未来館「企画展「マンモス展」 その「生命」は蘇るのか」'
マンモス展
千葉市美術館「ミュシャと日本、日本とオルリク」'
ミュシャ オルリク
根津美術館「美しきいのち
美しきいのち
サントリー美術館「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部
美濃の茶陶
21_21 DESIGN SIGHT「虫展 ―デザインのお手本―」
虫 展
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」
塩田千春
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
エリアレポート 秋田県立近代美術館 「若冲と京の美術」
[エリアレポート]
若冲と京の美術
エリアレポート 世田谷美術館 「チェコ・デザイン 100年の旅」
[エリアレポート]
チェコ・デザイン
エリアレポート MIHO MUSEUM「The 備前 ―土と炎から生まれる造形美―」
[エリアレポート]
The 備前
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
特別展 「恐竜博 2019」 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ゴッホ展 ラウル・デュフィ展 ― 絵画とテキスタイル・デザイン ―
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 コートールド美術館展 魅惑の印象派 没後90年記念 岸田劉生展 カラヴァッジョ展
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社