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神戸市立博物館 「松方コレクション展」

撮影・文 [エリアレポーター]胤森由梨 / 2016年9月16日
「ヨーロッパの本物を見せたい」その思いで形成された「松方コレクション」
川崎造船所、神戸新聞社の初代社長であり、神戸商工会議所の会頭として神戸発展の基礎を築いた実業家、松方幸次郎。松方が作品の収集を開始した年からちょうど100年、そして神戸開港150年の記念すべき年に、彼のゆかりの地である神戸で松方コレクションが公開されます。



第一次世界大戦さなかの1916年から1927年までの間に、松方幸次郎が私財を投じてヨーロッパの美術品を収集し、形成された一大コレクション、それが松方コレクションです。その総数はなんと2,000点にも及びます。

個人収集の美術作品群の規模としては世界随一。19世紀の芸術創造のさまざまな側面を網羅し、多岐に渡るジャンルから形成されています。

本展覧会では、1959年にフランスから寄贈返還された絵画・彫刻の370余点のコレクション、そして当時フランスに留め置かれたロートレック、ピカソ、スーティン、セザンヌ、モローの作品も併せて公開されています。

ここで特に印象深かった作品をご紹介します。


トゥールーズ・ロートレック《庭に座る女》1891年
ロートレックの作品は、都会のダンスホールや酒場をテーマとしたものが多いですが、この作品はモンマルトルの自然が背景に描かれた珍しい作品です。


クロード・モネ《ヴェトゥイユ》1902年
ロマネスク風の建物と、それが水に反射した風景が描かれています。
描かれているヴェトゥイユという町は、モネが晩年過ごしたジヴェルニーと同じく、彼にとってゆかりの深い地として知られています。


カミーユ・ピサロ《ルーアンの波止場》1898年
描かれているのは仕事を終えた乗組員たちが帰路に着く夕暮れの情景で、陽の光が水面や地面、船の蒸気を染めています。


実際の展示風景はこのようになっています。


(左から)フランク・スキップワース《おしゃべり女(婦人の肖像)》1889年 / エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ《慈愛》1885年頃 / ジョージ・フレデリック・ワルツ《ジュピターの少年時代》
これは第二章、旧松方コレクションの近代絵画彫刻の展示風景です。


マックス・ペヒシュタイン《帆船》1912年
ペヒテンシュタインはゴッホの作品に感銘を受け、色彩の強い表現を目指し、表現主義的な画家たちのグループであった「ブリュッケ」に参加しました。しかし、この作品ではブリュッケに特徴的な色彩のコントラストは影を潜め、彼の表現の新しい方向が表れています。


松方のコレクションは、風景画だけでなく、肖像画や神話画、宗教画など多岐にわたるジャンルにおいて収集されており、時にはこうした同時代の前衛的な作品も収集していました。日本の若い画家たちに様々なジャンルの絵画を見せたいという松方の思いが伝わってきます。

また、この展覧会の第三章では、オルセー美術館の名誉主任学芸員カロリーヌ・マチュー氏を招き、松方の助言者の一人であったレオンス・ベネディットとの交流などを新たな資料で考察し、選りすぐりの作品が公開されています。



これらは、松方コレクションの作品と同時代に描かれた作品で、松方が当時これらの作品に出合っていたとすれば、購入していたかもしれないフランス絵画の名品です。

日本の若者に本物を見せたいという思いで形成された松方コレクション。松方が見せたかった本物の作品をぜひ会場でご体感ください。

会場神戸市立博物館
開催期間2016年9月17日(土)~11月27日(日)
所在地 兵庫県神戸市中央区京町24
TEL : 078-391-0035
HP : http://www7.kobe-np.co.jp/blog/matsukata-collection/
エリアレポーターのご紹介
胤森由梨 胤森由梨
美術が大好きな大学院生です。将来は美術鑑賞に関わる仕事がしたいと思っています。現在、instagram「tanemo0417」「artgram1001」でもアート情報を発信中です!

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