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京都国立近代美術館「メアリー・カサット展」

撮影・文 [エリアレポーター]胤森由梨 / 2016年9月26日
母と子へのあたたかい眼差し
メアリー・カサットはアメリカ出身の女性画家で、当時まだ女性の職業画家が少なかった時代に、数々の困難を乗り越えて画家となる意思を貫いた、バイタリティあふれる女性です。
日本では35年ぶりに開催された本展覧会は、横浜美術館から巡回し、京都国立近代美術館にやってきました。



奥の絵画は、カサットの代表作であり、日本初公開の≪桟敷席にて≫(1878年)です。京都での展覧会では、当時パリで流行していた≪デイ・ドレス≫(1875年頃)と併せて展示されています。

本展覧会は主に3つの章で構成されています。章ごとの簡単な説明とともに、展覧会風景をご紹介します。

第一章は、父親に反対されながらも画家になることを決心したカサットの最初期の作品がメインとなる、「画家としての出発」です。


(左から)メアリー・カサット≪赤い帽子の女性≫(1874‐75年) / エミリー・サーティン、題名不詳(1887年)
エミリー・サーティンは、カサットがペンシルヴェニア美術アカデミーに在籍していたころの同窓生で、女性画家として苦楽を共にした友人でした。

第二章は、巨匠ドガとの運命的な出会い、また印象派展への参加を果たしたことで、作風が変化したカサットの作品を展示する「印象派との出会い」です。


(左から)メアリー・カサット≪庭の子供たち(乳母)≫(1878年) / メアリー・カサット≪浜辺で遊ぶ子供たち≫(1884年)
左の作品には、印象派展への参加を通じて獲得した風景表現が見られ、右の作品では、風景よりも人物に関心を寄せるカサットの独自性が表れています。

第三章は、カサットのジャポニスムによる影響やシカゴ万国博覧会での壁画制作の様子、またカサットの代名詞といえる母子像が展示されている「新しい表現、新しい女性」です。


(左から)メアリー・カサット≪母のキス≫(1890‐91年) / メアリー・カサット≪沐浴する女性≫(1890‐91年) / メアリー・カサット≪仮縫い≫(1890‐91年) / メアリー・カサット≪手紙≫(1890‐91年) / メアリー・カサット≪オムビュスにて≫(1890-91年)
これらはカサットが1890年のエコール・デ・ボザール(国立美術学校)で開催された日本版画展で見た浮世絵に感動して制作された作品です。浮世絵版画から用いたモチーフもたくさん見られますが、カサットは浮世絵の造形原理を積極的に取り入れています。


(左から)フ左から、メアリー・カサット≪母親とふたりの子ども≫(1905年) / メアリー・カサット≪モレル・ダルル―伯爵夫人と息子≫(1906年)
≪母親とふたりの子ども≫について、メアリー・カサットは「自分の最高の作品のひとつ」と述べています。作品に描かれた年長の少女に注目すると、裸の赤ちゃんに対して少しうらやましがっているような、そんな様子が伝わってきます。

本展覧会では、『ジヴェルニーの食卓』でおなじみの原田マハさんのトークショーや、ギャラリー・トーク、そしてファミリープログラムとしてパステルを使って家族の絵を描くイベントが開催されます。

カサットの描く、母と子のあふれる愛のまなざしをぜひ体感してみてください。


会場京都国立近代美術館
開催期間2016年9月27日(火)~12月4日(日)
所在地 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
TEL : 075-761-4111
HP : http://cassatt2016.jp/
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胤森由梨 胤森由梨
美術が大好きな大学院生です。将来は美術鑑賞に関わる仕事がしたいと思っています。現在、instagram「tanemo0417」「artgram1001」でもアート情報を発信中です!

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