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MIHO MUSEUM「美し(うまし うるはし)乾山 四季彩菜」

撮影・文 [エリアレポーター]白川瑞穂 / 2016年9月28日
MIHO MUSEUMが所蔵する乾山作品と料理を収めた同じタイトルの写真集は、グルマン世界料理本大賞写真部門でこれまで三度最優秀賞を受賞。和食が世界遺産に登録された今、乾山コレクションを一堂に公開する展示が開催されています。

作り手の自己表現としての器そのものの美しさに加え、使う者の視線を意識し愉しませる意匠。乾山の魅力溢れる作品とともに、美しい写真で食と器にスポットを当てた展示です。

乾山は兄の光琳とともに琳派を代表する芸術家ですが、乾山の器の優れた点は、デザイン性にとどまらず、料理を盛り付け使用してはじめて驚きをもたらす用の美にあります。

分業量産体制で量産に適した食器類を生産していた時代の代表的なものが、色絵竜田川図向付。茶懐石の花形にもなったこちらの器は、和食の食材を引き立て、漆塗りの器の間で映える色彩が美しい。


引盃を載せる色絵桔梗文盃台も、口縁や筒胴、鍔だけでなく残った酒露などを流す中筒まで、手のこんだ作りと意匠になっています。さらに、桔梗の花弁を模した鍔が落とす影までも計算されているのです。


器の内側と外側あわせて見ることで全体の美が完成する器は他にも。

銹絵染付絵替扇形向付

しかもこの器の扇形は檜扇風に段を付けて形造られています。

乾山は町人でありながら、兄の光琳ともども深い教養を持つ人でした。器を画面に見立て、銹絵と詩歌を描く画期的なやきものを制作し、教養人々を楽しませる遊び心を発揮したのも彼の才覚の一つでしょう。


銹絵牡丹図角皿は兄の光琳との合作で、右上に慎ましく文字を記している乾山と、画面いっぱいに花を描いた光琳、二人の性格の違いとともに、兄弟仲の良さ、バランスのとれた関係を思わせます。

また、乾山は、海外の陶磁器の写し物も手がけ、異国のデザインも多様に取り入れています。現代の作品かと思われるようなモダンな器も。

こちらの色絵阿蘭陀写市松文猪口はデルフトブルーと呼ばれる鮮やかな青が美しい市松模様。


底の見込みは斜め45度傾けた市松模様で、変化と意外性をもたらしています。

どの器も全く古さを感じないデザイン、そして和食に限らず、例えば洋食やチョコレートなど洋菓子を盛り付けてもマッチするのではないかしら、とわくわくさせてくれるところも乾山ブランドの力であり魅力でもあるように感じます。

さて食といえば、こちらのミュージアムでは自然農法にこだわった食材を使用した料理が頂けるレストラン、カフェが併設されているのをご存知でしょうか。



私は松花堂弁当を頂きました。写真にはありませんがこのあと出された味噌汁、デザートに至るまで、素材を活かしたやさしい味の料理で大変美味なものでした。

秋の一日を和洋の美と食、紅葉で存分に楽しまれてはいかがでしょうか。ムガール皇帝とマハラジャの宝石展と同時開催で、こちらも12月11日までです。

会場MIHO MUSEUM (ミホミュージアム)
開催期間2016年10月1日(土)~12月11日(日)
所在地 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
TEL : 0748-82-3411
HP : http://miho.jp
エリアレポーターのご紹介
白川瑞穂 白川瑞穂
関西在住の会社員です。学生の頃から美術鑑賞が趣味で、関西を中心に、色々なジャンルのミュージアムに出かけています。観た展示を一般人目線でお伝えしていきます。

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