インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  大阪市立東洋陶磁美術館 特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」by胤森由梨

大阪市立東洋陶磁美術館 特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」

撮影・文 [エリアレポーター]胤森由梨 / 2016年12月9日
こんな綺麗な青、見たことありますか?
これまで台北にある國立故宮博物院から貸し出されることのなかった神品《青磁無紋水仙盆》。この極めて珍しい青磁器をはじめとした北宋汝窯青磁水仙盆5点と、清朝の皇帝がそれを手本にして作らせた、景徳鎮官窯の青磁水仙盆1点が初めて一堂に会するという豪華な展覧会が、大阪市立東洋陶磁美術館にて開催中されています。

水仙盆を始めとする汝窯の青磁は、歴代皇帝や文人たちに愛されてきました。中でも深く関わっていたのが清の乾隆帝でした。

《青磁無紋水仙盆》 汝窯 北宋時代(11世紀末~12世紀初)以下全て台北 國立故宮博物院所蔵

青磁水仙盆の中で最もすぐれているとされる「無紋」の《青磁無紋水仙盆》です。

青磁とは素地や釉薬に微量の鉄分を含み、還元炎で焼成して青緑色に発色させた磁器のこと。発祥地は中国で、日本の有田焼にも通じる焼き物です。

作品のタイトルの横にある「汝窯(じょよう)」とは、宮廷用の青磁を焼くための窯のことで、中国北宋の末期(11世紀末~12世紀初)に主に利用されていました。

現存する汝窯の青磁は世界で約90点と、極めて少ないのが特徴です。

《青磁無紋水仙盆》 汝窯 北宋時代(11世紀末~12世紀初)

こちらが今回の展示で一番の目玉となる《青磁無紋水仙盆》です。

「雨過天青」、すなわち雨上がりの空の色を見事に体現しているこの作品は、釉に貫入がほとんど見られず、汝窯で作られた青磁の中で最も優れた「無紋」に該当します。縁の方はうっすらとピンクがかっていて、とても柔らかな印象を与えてくれます。

清朝の宮廷コレクションの中でも、乾隆帝はこの作品をとりわけ賞玩し、裏には自ら詠んだ詩を刻ませています。

実はこの水仙盆、用途は未だ不明で、犬猫の餌入れ、もしくは筆洗だったのではないかと言われています。皆さんなら何を入れて使うでしょうか?

(左から)《乾隆帝筆「御筆書畫合璧」》 清時代 乾隆年間(1736~1795) / 《紫檀描金台座》 清時代 乾隆年間(1736−1795)

こちらは先ほどご紹介した水仙盆に合うようにと、乾隆帝が作成を命じた紫壇製の豪華な引き出し付きの台座、そしてその引き出しに収められていた、「書畫合璧(しょがごうへき)」という本です。

この本は宋代の四代書家の作品を元に、乾隆帝自らが写したと言われています。四代書家の作品を隣に置いて描いたとはいえ、達筆です。

《倣汝窯青磁水仙盆》景徳鎮官窯 清時代 雍正~乾隆年間(18世紀)

この水仙盆は先ほどご紹介した《青磁無紋水仙盆》へのオマージュとして、宮廷専用の窯で作られた模製です。当時の最高レベルの技術が惜しみなく使われていますが、《青磁無紋水仙盆》と比べると厚みがあり、少し重量感があります。そして微妙に色合いも異なり、こちらの方が若干白みがかっている印象です。

この作品は色彩の微妙な違いを体感してもらえるように、なるべく自然光に近い照明で照らしています。また水仙盆が置かれた展示ケースの下には鏡が置かれているので、裏に書かれた文字も見ることができます。


こちらは展覧会風景です。

(左から)《青磁水仙盆》 汝窯 北宋時代(11世紀末~12世紀初) / 《青磁無紋水仙盆》 汝窯 北宋時代(11世紀末~12世紀初)

この展覧会では大きな展示ケースにどーんと1点ずつ展示されています。

僅か6点のみが展示されている特別展ですが、6点が同時に見られる展示は今後ないかもしれません。この機会にぜひご覧ください。

会場大阪市立東洋陶磁美術館
開催期間2016年12月10日(土)~2017年3月26日(日)
開館時間9時半~17時(入場は閉館の30分前まで)
休館日月曜日(12/19、平成29年1/9、3/20は開館)、1/10(火)、3/21(火)、年末年始〔平成28年12/28(水)~平成29年1/4(水)〕
所在地 大阪府大阪市北区中之島1-1-26
06-6223-0055
HP : http://www.moco.or.jp
展覧会詳細へ 特別展「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」詳細情報
エリアレポーターのご紹介
胤森由梨 胤森由梨
美術が大好きな大学院生です。将来は美術鑑賞に関わる仕事がしたいと思っています。現在、instagram「tanemo0417」「artgram1001」でもアート情報を発信中です!

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
森アーツセンターギャラリー「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」
新・北斎展
日本科学未来館「企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~」'
工事中!
東京都美術館「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」
奇想の系譜展
東京ステーションギャラリー「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」'
アルヴァ・アアルト
国立西洋美術館「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ
ル・コルビュジエ
神奈川県立歴史博物館「屏風をひらけば」
屏風をひらけば
そごう美術館「高野山金剛峯寺襖絵完成記念 千住博展 日本の美を極め、世界の美を拓く」'
千住博展
埼玉県立近代美術館「インポッシブル・アーキテクチャー」
インポッシブル
東京国立博物館「特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ―」
両陛下と文化交流
森美術館「六本木クロッシング2019展:つないでみる」
六本木クロッシング
根津美術館「ほとけをめぐる花の美術」
ほとけをめぐる
出光美術館「染付 ― 世界に花咲く青のうつわ」
染付
太田記念美術館「小原古邨」
小原古邨
世田谷文学館「ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)」
ヒグチユウコ展
Bunkamura ザ・ミュージアム「クマのプーさん展」
クマのプーさん展
東京都庭園美術館「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」'
岡上淑子
サントリー美術館「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
河鍋暁斎
原美術館「「ソフィ カル ― 限局性激痛」原美術館コレクションより」
ソフィ カル
アーツ前橋「闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s」
闇に刻む光
静岡市美術館「起点としての80年代」
起点としての80年代
細見美術館「石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ ―琳派との対話―」
[エリアレポート]
石本藤雄展
大阪市立美術館「フェルメール展」
[エリアレポート]
フェルメール展
国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」
[エリアレポート]
ボルタンスキー展
練馬区立美術館「ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ-ユニマットコレクション-」
[エリアレポート]
ラリックエレガンス
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
「不思議の国のアリス展」神戸展 アルヴァ・アアルト もうひとつの自然 フェルメール展 特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ―
新・北斎展 HOKUSAI UPDATED ラファエル前派の軌跡 展 ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー 福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社