インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  ポーラ美術館「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」

ポーラ美術館「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」

撮影・文 [エリアレポーター]松田佳子 / 2017年3月18日
佐藤忠良《カンカン帽》

ポーラ美術館がある箱根町は、温泉あり、さまざまなジャンルの美術館ありの関東近郊屈指の観光地です。ポーラ美術館は、「森の遊歩道」を敷地に備えた自然と美術が調和した素敵な場所です。

坂東優《雪の子Ⅰ》

現在、ポーラ美術館開館15周年を記念して20世紀を代表するふたりの巨匠「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」が開催されています。

会場入口

1881年生まれのピカソと1887年生まれのシャガールには、故郷を離れパリで暮らし、2つの世界大戦を経、ついに故郷に戻ることなく、異邦人としてフランスで90歳を超える長い生涯を終えたという共通点があります。

しかし、2人の芸術における表現方法は大きく異なっています。

それは、スペインの光あふれた地で生まれ、開放的なピカソと厳寒の地ロシアで生まれ、敬虔なユダヤ教徒であったシャガールが持つそれぞれのバックボーンが大きく影響しています。本展は、ところどころに2人の作品を並べられた壁があり、それぞれの作品が時には対峙するように、時には呼応するように鑑賞することができます。

現実の2人は、共通する友人が多く存在していたものの、親しく交わることはなかったといわれます。キュビスムの旗手でもあり、次々と実験的で革新的な表現を生み出していた時代の寵児としてのピカソ。フランス美術界ではそんなピカソよりも評価が高く、パリ・オペラ座の天井画を任されたシャガール。同じ時代を生きた者同士であったればこその複雑な想いがそこにはあったのでしょうか。

会場

見どころは、2人の代表作でもある《ゲルニカ》と《平和》を原画として制作された幅6mを超える巨大なタペストリーです。

原画:パブロ・ピカソ、タペストリー制作:ジャクリーヌ・ド・ラ・ボーム=デュルバック 《ゲルニカ (タピスリ)》1983年 ウール、木綿 群馬県立近代美術館蔵  ©2017-Succession Pablo Picasso-SPDA (JAPAN)
原画:パブロ・ピカソ、タペストリー制作:ジャクリーヌ・ド・ラ・ボーム=デュルバック 《ゲルニカ (タピスリ)》1983年 ウール、木綿 群馬県立近代美術館蔵 ©2017-Succession Pablo Picasso-SPDA (JAPAN)

《ゲルニカ》は故郷スペイン内乱の際行われたゲルニカへの無差別爆撃を批判する気持ちから制作されたピカソの代表作と言われる壁画です。このタペストリーの糸は、直接ピカソ本人から色の指示を与えられたものだそうです。

原画:マルク・シャガール、タペストリー制作:イヴェット・コキール=プランス 《平和》 2001年 ウール 個人蔵 © JASPAR, 2017 except for tapestries made with Marc Chagall © Tapestry by Marc Chagall made in collaboration with Yvette Cauquil-Prince / JASPAR,2017 G0860
原画:マルク・シャガール、タペストリー制作:イヴェット・コキール=プランス 《平和》 2001年 ウール 個人蔵
© JASPAR, 2017 except for tapestries made with Marc Chagall
© Tapestry by Marc Chagall made in collaboration with Yvette Cauquil-Prince / JASPAR,2017 G0860

《平和》は、ニューヨーク国際連合本部ダグ・ハマーショルド記念講堂のステンドグラスとして制作されたものです。シャガールの豊かな色彩を忠実に再現したタペストリーです。

戦争により運命を狂わされ、故郷に帰ることなく生涯を終わった2人の平和への祈りがテーマとなっています。

会場

展覧会では、2人の「愛」とは何かを私たちに問いかけてきます。

マルク・シャガール 《誕生日》 1923年 油彩/カンヴァス AOKIホールディングス蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017, Chagall® G0860
マルク・シャガール 《誕生日》 1923年 油彩/カンヴァス AOKIホールディングス蔵
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017, Chagall® G0860
《誕生日》は、妻ベラとの結婚式直前のシャガールの誕生日を描いた作品です。ベラの持つ花束はシャガールへの贈り物だったのでしょうか。身をよじりくちづけをするシャガールに驚いたようなベラの表情が印象的です。じゅうたんの鮮やかな赤、美しい模様のファブリックに囲まれた室内は、幸福に満ちています。

ピカソの芸術の原動力は「恋愛」だといわれます。一方シャガールにとっての愛は、ユダヤ教の教えに基づいた神からの恩恵だといわれます。

身近にいる恋人、妻、子をいとおしむように見つめられた肖像画を描いたピカソと浮遊する恋人たちや動物たちを色鮮やかに描いたシャガール。表現は異なるものの、作品を眺めているうちに、穏やかな優しい気持ちになってきます。

併設レストラン「アレイ」では「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」特別メニュー「太陽の食卓」(¥2,810)が用意されています。


上はデザートの「サワークリームのガトーとオレンジタルト」。サワークリームとベリー、オレンジとチョコレートの組み合わせがマッチしていておいしいです。

ミュージアムショップ

コンパクトながら、おしゃれなグッズがいっぱいのミュージアムショップです。「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」オリジナルグッズも5点ほどありました。



上はピカソの《海辺の母子像》をイメージしたノンカフェインコーヒー(¥594)。 このコーヒーとシャガールをイメージしたフルーツゼリー(8粒入り¥480/22粒入り¥1,320)をお土産にしました。3種の豆が楽しめる1杯用のドリップコーヒーとフルーティなゼリーで美術館の余韻を帰宅後も楽しみました。

これからゴールデンウィーク、夏休みの計画される時ですね。緑豊かな恵まれたロケーションで巨匠たちの愛と平和の讃歌に耳を傾けるの良いのではないでしょうか。(会期中展示替えがあるようなので、詳しくは美術館サイトをご覧ください)

会場ポーラ美術館
開催期間2017年3月18日(土)~9月24日(日)
開館時間9:00 ~ 17:00(入場は閉館の30分前まで)
所在地神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
0460-84-2111(代表)
HP : http://www.polamuseum.or.jp/sp/picasso_chagall_2017/
料金大人 1,800円、大学生・高校生 1,300円、中学生・小学生 700
※中学生・小学生は土曜日無料
展覧会詳細へ 「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」詳細情報
エリアレポーターのご紹介
松田佳子 松田佳子
湘南在住の社会人です。子供の頃から亡き父のお供をして出かけた美術館は、私にとって日常のストレスをリセットしてくれる大切な場所です。展覧会を楽しくお伝えできたらと思います。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
東京都美術館「クリムト展 ウィーンと日本
クリムト展
「横手市増田まんが美術館」がリニューアル'
増田まんが美術館
国立新美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」
ウィーン・モダン
東京都庭園美術館「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」'
キスリング展
三菱一号館美術館「ラファエル前派の軌跡
ラファエル前派
ホキ美術館「スペインの現代写実絵画
スペインの現代写実
東京国立博物館「特別展 美を紡ぐ
日本美術の名品
三井記念美術館「鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝」'
円覚寺の至宝
東京国立博物館「国宝
国宝 東寺
横須賀美術館「縮小/拡大する美術 センス・オブ・スケール展」'
スケール展
森アーツセンターギャラリー「ムーミン展」
ムーミン展
パナソニック汐留美術館「ギュスターヴ・モロー
モロー展
東京ステーションギャラリー「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」'
ルート・ブリュック
国立西洋美術館「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ
ル・コルビュジエ
東京都江戸東京博物館「江戸の街道をゆく」'
江戸の街道をゆく
横浜美術館「Meet
アートと人と美術館
国立科学博物館「特別展
大哺乳類展2
サントリー美術館「information
左脳と右脳
あべのハルカス美術館「クマのプーさん展」
[エリアレポート]
クマのプーさん展
愛知県美術館「アイチアートクロニクル1919-2019」
[エリアレポート]
アイチクロニクル
奈良国立博物館「国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき」
[エリアレポート]
藤田美術館展
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
インターネットミュージアム アルバイト募集中
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 特別展 「恐竜博 2019」
特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ― 雪舟、永徳から光琳、北斎まで ―」 鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」 ムーミン展 六古窯 ― 〈和〉のやきもの
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社