インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  エリアレポート  >  横浜美術館「ファッションとアート 麗しき東西交流」

横浜美術館「ファッションとアート 麗しき東西交流」

撮影・文 [エリアレポーター]松田佳子 / 2017年4月14日
横浜美術館外観

4月15日から開催される展覧会に先立って行われた記者内覧会に参加してきました。

近代日本の貿易拠点であった横浜市にある美術館と、服飾研究では世界的に名高い京都服飾文化研究財団(KCI)がコラボレーションした、大きな意味を持つ展覧会です。

文化の東西交流というと西洋人女性が着物を纏っているモネの代表作「ラ・ジャポネーズ」を思い浮かべる方も多いでしょう。あの絵のイメージに重なるような空間でした。

長い鎖国を終え、開国した日本は殖産興業の名のもとに、多くの工芸品を輸出し、それらは優れたデザイン性と確かな技術で西洋を魅了していきました。下のような上質の羽二重のキルティングの室内着もその一例です。


一方、日本国内は文明化を推進していく施策のひとつとして洋装が奨励されました。女性は鹿鳴館での社交をきっかけとして、上流階級から順に洋装が浸透していきました。今でいうヘアカタログのようなものが浮世絵で表されているのが面白かったです。

楊洲周延《婦人束髪縮図》1885年 KCI

この当時の風俗をあらわした鏑木清方などの作品の中にも、洋装、装身具、洋楽器などが描かれ、その時代の女性たちの暮らしぶりがうかがえます。

三谷十糸子《独楽》1930年 京都市美術館

和装の中にも、薔薇、白鳥といった西洋風のモチーフが用いられます。和洋折衷のモダンさは現代の私たちの感覚にも斬新に思える素敵なデザインです。

明治、大正期の帯、長着、道行コート

昭憲皇太后が新年式の際に着用した大礼服は、この展覧会の中での大きな見どころです。3m30cmの長いトレーンいっぱいに、金糸銀糸で刺繍が施された大変豪華なものでした。

《昭憲皇太后着用大礼服(マントー・ド・クール)》1910年頃 共立女子大学博物館
《昭憲皇太后着用大礼服(マントー・ド・クール)》1910年頃 共立女子大学博物館

海を渡った日本の工芸品は、西洋の文化や芸術に大きな影響を与えました。

陶磁器には、柿右衛門や伊万里を写したような製品が多くみられますし、テキスタイルの中にもきものの柄に用いられるような菊や羊歯(シダ)などの草花模様が見られます。

日本の古来の曲線を多用した文様やアシンメトリーな空間表現はアールヌーボーという工芸の新しい流れを喚起します。

ロイヤル・ウースター社《伊万里写ティーセット》1881年 三菱一号館美術館
ジャポニスムに影響されたテキスタイル

それまでの西洋の女性の装いはコルセットに締められた窮屈なものでした。日本から輸入したきものは当初上流階級の部屋着として着用されていたようです。

緩やかな着心地と人体という立体を平面的な構造の布地が包むという発想は、驚くべきものだったようです。その驚きが女性たちをコルセットから解放し、私たちが今着用しているような洋服の原型を生み出していったと考えられるそうです。

着物を元にデザインされたようなドレス
マドレーヌ・ヴィオネ《ウェディング・ドレス》1922年 KCI

鎖国という水門の前にせき止められていた東西それぞれの文化の水は、開国という水門を開けられたことにより一挙になだれこみ、大きく渦を巻き、麗しい流れを作り上げていきました。
日本の文化が、当時文化の先進国であったフランスをはじめとした西洋諸国に与えた影響の大きさを知ると、とても誇らしいような気持ちになりました。

美しい衣装や工芸品の数々。こんな衣装を着てみたいな。こんな道具を部屋に置いてみたいな。そんな想像をしながら観覧するのも楽しみのひとつではないでしょうか。

会場横浜美術館
開催期間2017年4月15日(土)~6月25日(日)
休館日木曜日
開館時間10:00~18:00 5月17日(水)は20:30まで
(入館は閉館の30分前まで)
所在地神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
045-221-0300
HP : http://yokohama.art.museum/special/2017/fashionandart/
料金一般 1,500円、大学・高校生 900円、中学生 600円、65歳以上 1,400円、小学生以下は無料
展覧会詳細へ 「ファッションとアート 麗しき東西交流」詳細情報
エリアレポーターのご紹介
松田佳子 松田佳子
湘南在住の社会人です。子供の頃から亡き父のお供をして出かけた美術館は、私にとって日常のストレスをリセットしてくれる大切な場所です。展覧会を楽しくお伝えできたらと思います。

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?

取材レポート
森アーツセンターギャラリー「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」
新・北斎展
日本科学未来館「企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~」'
工事中!
東京都美術館「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」
奇想の系譜展
東京ステーションギャラリー「アルヴァ・アアルト もうひとつの自然」'
アルヴァ・アアルト
国立西洋美術館「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ
ル・コルビュジエ
神奈川県立歴史博物館「屏風をひらけば」
屏風をひらけば
そごう美術館「高野山金剛峯寺襖絵完成記念 千住博展 日本の美を極め、世界の美を拓く」'
千住博展
埼玉県立近代美術館「インポッシブル・アーキテクチャー」
インポッシブル
東京国立博物館「特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ―」
両陛下と文化交流
森美術館「六本木クロッシング2019展:つないでみる」
六本木クロッシング
根津美術館「ほとけをめぐる花の美術」
ほとけをめぐる
出光美術館「染付 ― 世界に花咲く青のうつわ」
染付
太田記念美術館「小原古邨」
小原古邨
世田谷文学館「ヒグチユウコ展 CIRCUS(サーカス)」
ヒグチユウコ展
Bunkamura ザ・ミュージアム「クマのプーさん展」
クマのプーさん展
東京都庭園美術館「岡上淑子 フォトコラージュ 沈黙の奇蹟」'
岡上淑子
サントリー美術館「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
河鍋暁斎
原美術館「「ソフィ カル ― 限局性激痛」原美術館コレクションより」
ソフィ カル
アーツ前橋「闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s」
闇に刻む光
静岡市美術館「起点としての80年代」
起点としての80年代
細見美術館「石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ ―琳派との対話―」
[エリアレポート]
石本藤雄展
大阪市立美術館「フェルメール展」
[エリアレポート]
フェルメール展
国立国際美術館「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」
[エリアレポート]
ボルタンスキー展
練馬区立美術館「ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ-ユニマットコレクション-」
[エリアレポート]
ラリックエレガンス
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
「不思議の国のアリス展」神戸展 アルヴァ・アアルト もうひとつの自然 フェルメール展 特別展 御即位30年記念 両陛下と文化交流 ― 日本美を伝える ―
新・北斎展 HOKUSAI UPDATED ラファエル前派の軌跡 展 ギュスターヴ・モロー 展 ー サロメと宿命の女たち ー 福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社