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あべのハルカス美術館「奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝」

撮影・文 [エリアレポーター]白川瑞穂 / 2017年7月28日

2015年に創建1250周年を迎えた西大寺。記念事業の一環として開催されている展覧会。
国宝6件、重要文化財36件を含む約80件、西大寺と真言律宗一門に伝わる超一流の名宝を展観します。

東京の三井記念美術館(終了)、山口県立美術館でも巡回展がありますが、出陳内容がそれぞれ異なりますので、既に他館で見た方、これから見る予定がある方も必見ですよ!

西大寺は765年に藤原仲麻呂による反乱からの抗争が鎮まることを祈願して創建されました。
創建間もない時期に安置された塔本四仏坐像は、後世に付けられたと考えられている名称に基づき、東西南北の方向に展示されています。

重要文化財「塔本四仏坐像(阿弥陀如来、釈迦如来、阿閦如来、宝生如来)」奈良・西大寺、画像提供:奈良国立博物館(撮影:森村欣司)

奈良時代後期に流行した木心乾漆造(もくしんかんしつづくり:木彫の像の原型に漆などを塗り重ねて成形していく技法)によるもの。
4躯まとまっての展示は、なんと27年ぶりで大阪会場だけなので、どうぞお見逃しなく!

最盛期には西大寺の周辺に約100の寺院が集まっていたそうですが、平安遷都、朝廷からの援助のカット、度重なる災害などで、その勢いは残念ながら一旦衰えていきます。

重要文化財「西大寺伽藍絵図」奈良・西大寺(7/29~8/27展示)、画像提供:奈良国立博物館(撮影:森村欣司)

西大寺を再建したのは鎌倉時代に登場した叡尊(えいそん)でした。
「興法利生(こうぼうりしょう)」、仏教を盛んにして人々を救うことを理念として活動を始めたのです。

西大寺に伝わる釈迦如来立像は、叡尊の釈迦本来の仏教に立ち返るという考えから、生身の釈迦として信仰を集めていた京都の清凉寺の釈迦如来立像を忠実に模刻して造らせたもの。

重要文化財「釈迦如来立像」奈良・西大寺、画像提供:奈良国立博物館(撮影:森村欣司)

貧しい人や差別を受けていた人々の救済にも力を入れ、西大寺で今も受け継がれている「大茶盛式」(おおちゃもりしき:毎年二回、大きな茶碗の茶を皆で回し飲みする行事)を「一見和合」(いちみわごう)の精神のもと、当時は高価な薬とされていた茶を民衆に振る舞う医療・福祉の実践として叡尊がはじめたというエピソードも印象的でした。

今回の展示の目玉のひとつが、重要文化財・吉祥天立像。
叡尊の教えは全国に広がっていき、その一門の寺院である京都・浄瑠璃寺の秘仏です。

重要文化財「吉祥天立像」京都・浄瑠璃寺(7/29~8/6展示)、画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)

私は初めて見たのですが、天平美人を思わせるふくよかで華麗な吉祥天。360度全方向から見られるのも嬉しく、本当に貴重な機会です。
表情もポーズも衣装も華やかで、いつまでも見ていたい美しさでした!
吉祥天は8月6日までの展示でした。

後期展示の目玉は、同じく重要文化財で西大寺の秘仏、愛染明王坐像。

重要文化財「愛染明王坐像」奈良・西大寺(8/29~9/24展示)、画像提供:奈良国立博物館(撮影:森村欣司)

この像が江戸で出開帳された際に、二代目市川海老蔵が愛染明王のメイクで「矢の根五郎」を演じ、大好評を得たお礼に西大寺に奉納した矢の根五郎の絵馬もあわせて展示されます。

「矢の根五郎」絵馬 奈良・西大寺

それにちなんで、音声ガイドには歌舞伎俳優の市川海老蔵さんがスペシャルナビゲーターとして登場されていますので、歌舞伎ファンの方も見逃せない・聞き逃せませんね!

また、仏像フリークとして知られるみうらじゅんさんと、クリエーターのいとうせいこうさん監修によるオリジナルグッズも注目です!

秘仏たちが一堂に集まるこの貴重な機会。
ぜひあべのハルカスへお出かけください。


会場あべのハルカス美術館
開催期間2017年7月29日(土)~9月24日(日)
休館日7月31日(月)、8月7日(月)、8月21日(月)、8月28日(月)
開館時間火~金/10:00〜20:00、月土日祝/10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
所在地大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
06-4399-9050
HP : http://saidaiji.exhn.jp/
料金一般 1,300円、大学・高校生 900円、中学・小学生 500円
展覧会詳細へ 「奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝」詳細情報
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白川瑞穂 白川瑞穂
関西在住の会社員です。学生の頃から美術鑑賞が趣味で、関西を中心に、色々なジャンルのミュージアムに出かけています。観た展示を一般人目線でお伝えしていきます。

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