《狩野派》といえば、日本絵画史上最大の画派であり、室町時代から江戸時代まで400年にわたって君臨し続けた画家集団です。原六郎コレクションには、狩野派の絵師たちによる作品群「三井寺旧日光院客殿障壁画」があります。これは、近江八景の一つ「三井晩鐘(みいのばんしょう)」でも知られる三井寺(みいでら、正式には園城寺=おんじょうじ、滋賀県大津市)の塔頭の一つ、日光院客殿の襖絵として描かれたものです。本展では、狩野永徳の「虎図」など、この障壁画の一部を展示し、狩野派の絵師たちによる水墨表現の魅力を紹介いたします。
明治25年(1892年)、原 六郎が日光院客殿を建物ごと買い取り、東京・品川の自邸へ移築し、障壁画は掛軸と屏風に改装しました。昭和初期、この建物は護国寺[東京都文京区]に寄進・再移築され、名も月光殿と改め、今では重要文化財に指定されています。
原六郎コレクションとは、ハラ ミュージアム アークの本館にあたる原美術館[東京都品川区]の館長 原 俊夫の曽祖父である明治時代の実業家 原 六郎が収集したもので、日本近世絵画を中心に、書、工芸、さらには中国美術など、国宝・重要文化財をふくむ約120点の貴重な作品を有します。
■出品作品
【全期】円山応挙「淀川両岸図巻」江戸時代/「葡萄栗鼠蒔絵提重」江戸~明治時代/ディヴィッド スミス「3つの構造」1941年 など
【前期】狩野派「蘭亭図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)桃山~江戸時代/狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)桃山~江戸時代/狩野派「雲龍図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)桃山~江戸時代
【後期】狩野派「野馬図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)桃山~江戸時代/狩野派「蘭亭図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)桃山~江戸時代/狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障壁画)桃山時代