企画展「清方、若き日の歩み」

鏑木清方の父・篠野採菊は『やまと新聞』を創刊し、様々な文化人と幅広い交流を持っていました。清方は父の姿を問近に見ながら、芝居や文芸に親しむ幼少期を過ごし、次第に挿絵画家の仕事に興味を持つようになります。そして、明治24年（1891)、13歳の時に日本画家の水野年方に入門し、16歳で挿絵画家となりました。 その後、清方は一流の文芸雑誌や新聞で多くの挿絵や口絵を手がけ、20代で人気挿絵画家となる一方で、自由な題材による作品制作と肉筆画の技術向上を目的に、同士と「烏合会」を結成します。互いに作品を批評したり、展覧会へ出品したりするなど清方にとり大きな刺激となり、日本画家への足がかりとなりました。 本展覧会では、清方の明治、大正の画業に焦点を当て、烏合会出品作のほか、夏の風情あふれる口絵をご紹介します。