JCIIフォトサロンでは、来る2019年12月3日(火)から12月25日(水)まで、日本カメラ博物館の開館30周年を記念して、収蔵作品による「JCIIフォトサロンコレクション展《後期》」を開催いたします。
日本カメラ博物館が開館した1989年は、ダゲレオタイプがフランスの特許を取得して初めてカメラが市販されるようになってから150年という記念の年でした。博物館の写真展示施設であるJCIIフォトサロンは、モノクロ写真を優れたプリントでご覧いただくために、日本の写真家による豊かな表現や優れた記録などのさまざまな展覧会を開催して参りました。「JCIIフォトサロンコレクション展」でご覧いただくのは、この30年間にさまざまな機会を通じて充実してきたコレクションから1作家1点に厳選した作品の数々です。
《後期》では、1961~2014年に撮影・発表の作品を約140点展示します。薗部澄が記録した高速道路建設中の日本橋(1962年)、音楽を全身で引き出す姿を木之下晃が活写した小澤征爾(1974年)、北海道・美瑛で前田真三がとらえた夏雲競演(1986年)、手を取り合って走る若者に明日への希望を見出したハービー・山口の〈TOMORROW〉(1996年)など、時代を代表する作品ばかりです。
肖像、民俗、社会、自然などの多彩なコレクションは、前期・後期を通してご覧いただくと、芸術写真の時代から現代に至るまでの写真表現史の変遷を追うことができるでしょう。