カレーと香辛料

大航海時代、ヨーロッパの国々は香辛料を求めてアジアへ進出しました。熾烈な競争のなか、香辛料による貿易によって海洋帝国を築きあげ、大きな利益を得ました。その当時平戸は1550年のポルトガル船来航を機に、海外貿易の窓口として繁栄しており、オランダやイギリスとの貿易を通じて、様々な香辛料がもたらされました。オランダ東インド会社の会計帳簿には、クローブ、シナモン、カルダモンなど、多くの香辛料が輸入されたことが記録されています。香辛料を使った料理と言えば「カレー」です。1563年、ゴアで医師だったポルトガル人が著した書物に、初めて「カレー（Caril）」が登場します。また日本のカレーの源流と言えるイギリス式のカレーは、イギリス東インド会社の船員たちが本国へ伝えたものでした。本展では、今や日本の国民食といえる「カレー」をテーマに、様々な香辛料を展示し、大航海時代と香辛料の深い関わりや歴史、古今東西の様々なカレーを紹介します。奥深きカレーと香辛料の世界をお楽しみ下さい。