和歌山県岩出市の旧県会議事堂(一乗閣)修復に伴う移転先の根来寺旧境内で石積みの階段などの遺構が見つかり、2011年7月12日(火)、大阪歴史学会は「根来寺の威容を示す重要な施設」として保存を求める要望書を文化庁や県に提出した。
遺構について「根来中心部の防御を意図したもので石垣などもよく残存している。遺跡を破壊して移転を進めるのは県の文化財保護の放棄だ」と指摘しているが、県教委は、当時の根来の様子を描いたとされる絵図をもとに、移転予定地に施設はなかったという認識で「要望書の『城郭だ』などとする遺跡の評価については事実誤認があるのでは」としている。
根来寺境内は2007年に国史跡に指定。旧県会議事堂(一乗閣)は明治30年に和歌山市内に築造され、1962年に根来寺境内に移築されたが、傷みが激しいため「市民から要望を受け、募金を集めた経緯から、根来の地内であること」を前提条件に、県は移築計画を進めている。
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毎日jp