2015年2月23日(月)、横浜美術館で、2015年度の企画展について記者発表が行われた。企画展は例年同様に、4本予定されている。
「石田尚志 渦まく光」
3月28日(土)~5月31日(日)現代美術と映像分野で活躍し、国内の主要な公立美術館に作品が収蔵されるなど注目を集める石田尚志(いしだたかし:1972-)の、初の大規模個展。
石田は2000年に映像作家仲間と初めての企画上映会を横浜美術館で行い、06年には同館で4カ月に渡る滞在制作を行うなど、横浜美術館とは縁が深い。
展覧会では「絵巻」「音楽」「身体」「部屋と窓」の4章で、過去20年間の代表作に、新作の映像インスタレーションを加えた約30作品を展示。パフォーマンスや上映会など、多彩な関連イベントも実施する。
「蔡國強展」
2015年7月11日(土)~10月18日(日)中国を代表する現代美術家で、世界的にも評価が高い蔡國強(Cai Guo-Qiang さいこっきょう:1957-)の、首都圏初となる大規模個展。
2008年北京五輪で開会式・閉会式の花火の演出が話題になった蔡國強は、常に新しい手法に果敢に取り入れる一方、火薬・漢方などの中国文化や風水思想を取り入れるなど欧米と違う価値観を作品に盛り込み、近年は社会的な問題にもアプローチした活動を展開している。
単なる回顧展では無く、1986年から約9年間の日本滞在時代も含めて、以前の姿にも立ち返りながらも、主に日本初公開の作品で構成するなど、新しい蔡國強の一面を見せる展覧会になる予定。逢坂恵理子館長が自らキュレーションを行う事も注目される。
「横浜発 おもしろい画家 中島清之 ─ 日本画の迷宮」
2015年11月3日(火・祝)~2016年1月11日(月・祝)横浜ゆかりの画家で、日本美術院の中核として活躍した中島清之(なかじまきよし:1899-1989)の回顧展。
中島清之は、日本画家の中島千波の父。古典的で精緻な絵画から大胆な抽象表現まで大きく表現を変え、「変転の画家」とも評された。最晩年には横浜の三溪園の障壁画を手がけ、横浜美術館も33点の作品を所蔵している。
展覧会では代表作だけでなく、スケッチや画稿もあわせて展示。作品の制作過程や画家の関心の在り様に迫る。
「村上隆の眼 ― Kaikai Kikiコレクション展(仮称)」
2016年1月30日(土)~4月3日(日)現代日本を代表するアーティスト、村上隆(むらかみたかし:1962-)が起業した Kaikai Kiki が所有するコレクションを初めて紹介する企画展。
美術家として精力的に活躍する一方で評論家、ギャラリスト、プロデューサーとしても活動する村上隆は、ここ10年ほどの間に国内外の美術品を積極的に蒐集している。
展覧会では、現代美術を中心に骨董、現代陶芸、民藝など多彩なコレクションから厳選して公開。村上隆の美意識の源泉について考えるとともに、美術品をコレクションする行為が持つ社会的な意義についても考察する。
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