2019年2月27日（水）、九州国立博物館（福岡・太宰府）で、7月13日（土）から開催される「室町将軍 ― 戦乱と美の足利十五代 ―」についての報道発表会が、都内で開催された。

室町時代の歴代将軍の肖像や水墨画の名作、古文書資料などゆかりの文化財から、室町幕府の栄枯盛衰と個性溢れる将軍たちの魅力を紹介する企画展。

室町幕府は、足利尊氏を初代将軍と詩、15代にわたって続いた武家政権。主に京都の室町に営まれた将軍邸や、その主である将軍を「室町殿」と称したことから、「室町幕府」と呼ぶようになった。

展覧会は、4章で構成で、1章「南北朝の動乱と足利尊氏」では、尊氏の波乱に満ちた生涯を辿りながら、彼が心を寄せた多面的な信仰やそれに伴う実績を紹介。もともとは足利尊氏像と伝えられいた《騎馬武者像》（京都国立博物館蔵）などが展示される。

2章「室町の栄華 ― 義満と義持と唐物荘厳」では、政治・文化の両面で室町幕府の最盛期を築いた義満・義持ゆかりの品々を中心に紹介。また義満によって確立され、以降の将軍たちにも引き継がれた唐物荘厳（からものしょうごん）と座敷飾りの世界も紹介される。

3章「将軍権力のゆらぎと成熟する文化 ― 義教・義政の時代」では、室町幕府の趨勢を大きく変えることになった義教と義政の治世と政治的な転換期に注目して紹介。《重要文化財　赤糸威肩白鎧》（島根・出雲大社蔵）など、彼らゆかりの品々が展示される。

4章「戦国の将軍たち ― 流浪する将軍と室町幕府の終焉」では、戦国時代の将軍たちがその威厳をいかに保ち、どう存続したのかについて、幕府滅亡への歩みとともに紹介される。剣豪将軍・義輝の名刀《国宝　太刀　銘長光（名物　大般若長光）》（東京国立博物館蔵）などが展示される。

また、本展では尊氏が創建し、将軍家菩提所となった京都・等持院に伝わる歴代足利将軍の彫像13軀が、寺外で初公開される。

歴代足利将軍の彫像は、光が当たる角度によって表情を変えるとのこと。展覧会担当の一瀬智学芸員は「将軍によって表情が違うので、それらに注目してくれたら」と、話した。彫像13軀の中でも、一瀬学芸員の一押しは、9歳で将軍職を継ぎ、10歳でこの世を去った七代将軍・義勝。「口角が少し上がり、えくぼが浮かぶその表情が少年のかわいさがあるので、ぜひ会場で見てほしい」と、語った。

報道発表会最後には、九州国立博物館応援大使のサラ・オレイン氏が、1/fと呼ばれる癒しの波長の歌声を披露。トークでは、博多弁で応援大使としての意気込みを語り、会場内を沸かせた。

特別展「室町将軍 ― 戦乱と美の足利十五代 ―」は、九州国立博物館で2019年7月13日（土）～9月1日（日）に開催。観覧料は、未定。


　発信：インターネットミュージアム

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