展覧会を紹介する、国立西洋美術館の馬渕明子館長
東京・台東区の国立西洋美術館で、同館の礎となった「松方コレクション」を中心に紹介する企画展が開催される。
松方幸次郎(1866-1950)は、明治~昭和に活躍した実業家。川崎造船所の社長などを務めた松方幸次郎は、大正から昭和にかけて熱心に絵画を蒐集し、浮世絵(約8000点)も加えれば1万点超という規模を誇っていた。
松方は日本で最初の西洋美術館となる「共楽美術館」の設立を目指していたが、関東大震災と昭和恐慌のあおりを受けて頓挫。日本にあった西洋美術、約1000点は債権者により売却され、ロンドンにあった約900点は倉庫の火災で焼失。
パリに残っていた約400点は、第二次世界大戦末期にフランス政府によって接収されたが、1959年に20点を除いた375点が「寄贈返還」され、国立西洋美術館はそれらを基に設立された。
国立西洋美術館の開館60周年を記念して開催される本展では、フランスに留め置かれたゴッホの《アルルの寝室》(オルセー美術館蔵)をはじめ、国内外に散逸した名品も含めた作品約160点を展示。
2016年にパリ・ルーブル美術館で破損した状態で発見され、国立西洋美術館に寄贈されたモネ《睡蓮、柳の反映》は、現存部分が修復され、修復後初公開。
松方コレクションがロダン美術館の礼拝堂に保管されていた時代に撮影されたガラス乾板は、所在不明の作品や、破損した作品を中心に、10点前後が出品される予定。
「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」は2019年6月11日(火)〜9月23日(月・祝)、同館で開催。観覧料は一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円。それぞれ200円引きの前売り券は2019年3月6日(水)から発売される。
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