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    レポート
    バスキア展 メイド・イン・ジャパン
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    123億円の作品も。日本初の大規模展
    ニューヨークを舞台に、1980年代のアートシーンを席捲したジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)。著名人による高額落札で、一躍、その名前が知れ渡りました。日本初となるバスキアの大規模展が、森アーツセンターギャラリーで始まりました。
    ジャン=ミシェル・バスキア《無題》1982年 Yusaku Maezawa Collection, Chiba Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    (左から)ジャン=ミシェル・バスキア《オニオンガム》1983年 Courtesy Van de Weghe Fine Art, New York Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat.Licensed by Artestar, New York / ジャン=ミシェル・バスキア《ナポレオン》1982年 Private Collection Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York
    Artwork Ⓒ Estate of Jean-Michel Basquiat. Licensed by Artestar, New York

    株式会社ZOZO創業者の前澤友作氏がバスキア作品を約123億円で購入し、大きなニュースになったのが2017年。注目のバスキア展がいよいよ始まりました。


    バスキアはニューヨーク生まれ。幼い頃から絵画に親しんでいましたが、専門的な美術教育は受けていません。


    キャリアのスタートはストリートから。高校を中退して家出し、グラフィティ仲間とともに地下鉄や街に描いていました。


    その後の歩みは、アメリカンドリームそのものです。1980年のグループ展で絵画を初めて出品。81年にはイタリアで初個展。82年には最年少で国際美術展「ドクメンタ7」に出展し、経済的にも大きな成功を収めました。


    今回は、日本で初めてとなるバスキアの大規模展です。当初の予定では約80点でしたが、最終的には約130点と大幅に拡大。絵画やオブジェ、ドローイング、立体、映像作品などが並びます。



    当時のアートシーンを振り返ると、70年代までの美術が禁欲的な表現に終始していたのに対し、80年代はその反動から、エネルギッシュな具象表現が「ニューペインティング」として流行。バスキアは中心的なひとりでした。


    さらに時代が進むと、ニューペインティングの画家たちは徐々に存在感が薄くなりますが、バスキアのみ別格です。21世紀になってからは、さらに脚光を浴びており、世界各地で大規模な展覧会が開かれています。


    今回の展覧会では、バスキアと日本との関係にも注目しました。バスキアはたびたび来日しており、その作品には、ひらがな、五重塔、そして当時200円だったセブンスターのタバコなど、日本から参照したモチーフも見て取れます。


    バスキアが敬愛したアーティストが、32歳年上のアンディ・ウォーホルでした。1982年に知り合い、作品を共同製作するなど親交を深めましたが、ウォーホルは1987年に急死。バスキアは失意の中で、1988年に死去。わずか27歳でした。


    ドラマチックな生涯は映画にもなり、伝説的なアーティストとなったバスキア。日本でこれだけのバスキア作品を一度に見られる機会は、この後もなかなか無いと思われます。知的で洗練された芸術か、時代が味方した乱暴なペインティングか。アートファンならずとも、必見です。


    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年9月20日 ]



    会場
    森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ森タワー52階)
    会期
    2019年9月21日(土)~11月17日(日)
    会期終了
    開館時間
    ※展覧会によって異なります。
    住所
    東京都港区六本木6-10-1
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト https://www.basquiat.tokyo
    料金
    一般 2,100(1,900)円 / 高校・大学生 1,600(1,400)円 / 小・中学生 1,100(900)円 / 未就学児 無料

    ※( )内は15名以上の団体料金
    ※障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は、、当日料金の半額
    ※来場者全員に音声ガイドを無料で提供されます
    ※その他、チケット情報は公式サイトをご確認ください
    展覧会詳細 バスキア展 メイド・イン・ジャパン 詳細情報
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