エヴァンゲリオンは、大災害「セカンドインパクト」後の世界を舞台に、人型兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女と、襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描いた作品。心理学や宗教関係の専門用語が多用される謎めいたストーリーで、一躍話題になりました。コミックや劇場版、ゲームなど多方面で展開しており、その盛り上がりは社会現象にもなり、海外にも多くのファンを持ちます。
初の本格的作品展となる今回は、庵野監督と製作会社のカラーが監修。未公開資料も盛り沢山の、ファン必見の展覧会になっています。
まずは第1章「終わらないエヴァンゲリオン」から。アニメが放送された当時はまだアニメ制作はセル画で行われていました。1章ではOPアニメや名場面のセル画や、今年6月に完結したコミカライズ版の複製原画が並びます。
VIDEO セル画や複製原画が並びます 第2章「エヴァができるまで」では「ものづくり現場」を紹介。ゆるやかな曲面を描く壁一面に貼られているのはアニメ制作に欠かせない絵コンテや原画など。ここはアニメーションの制作過程を分解して紹介するコーナー。素材は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の第8使徒を3機のエヴァで迎撃する迫力のシーンです。
映画の1コマは1/24秒しか表示されませんが、その1コマ1コマにアニメーターの細かなこだわりが詰め込まれています。そうした作業をいくつも経て作り上げられた映像を見ると、新たな発見と深い感動があります
VIDEO 第2章 エヴァができるまで 第3章「人物・エヴァ機設定」ではキャラクター設定原画が並びます。そして中央には眼を奪われる「アヤナミレイ(仮称)」の等身大フィギュア。ぜひ足の先までじっくりご覧ください。ちなみにこちらのミニチュア版は併設の「EVANGERION STORE GINZA」で展覧会限定として発売中(3,150円)。多くの方が買い求めていました。
VIDEO 「アヤナミレイ(仮称)」等身大フィギュア ©カラー、原型製作:澤田啓介(澤田工房) 4章「原画で観る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』」では新劇場版の生原画300点以上が初公開展示されています。アニメーターの手により描かれた登場人物たちの表情にぜひご注目ください。時々スタッフ間のやり取りがメモのように書かれているのも、見逃せないポイントです。
VIDEO 使徒の部屋もお見逃しなく 今回は「EVANGERION STORE GINZA」が会場に登場。展覧会限定商品約150点を含む2000アイテムが並びます。エヴァのモチーフがさりげなく取り入れられたアパレルなどもあり、エヴァの支持層の広さを感じます。
なお、「EVANGERION STORE GINZA」は8月10日(土)からさらにスペースが拡大し、お買い物がよりしやすくなっています。
アニメやマンガを題材にした展覧会ですが、展示されたものから感じるのは、丁寧な手作業の細かな積み重ね。多くの人を惹きつけ、支持を集め続ける作品のバックボーンをしっかりと感じることが出来る展覧会でした。新劇場版をおさらいしてから見に行くと、120%楽しめること間違いなしです。
初日でなんと5000人以上を動員、そしてこの後は全国5ヶ所を巡回予定。まだまだエヴァ旋風はやみそうにありません。
[ 取材・撮影・文:川田千沙 / 2013年8月7日 ] 画像は全て 「エヴァンゲリオン展」松屋銀座 ©カラー