インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  カイユボット展 ― 都市の印象派

カイユボット展 ― 都市の印象派

■印象派を支えた資産家、知られざる画力
【会期終了】 日本ではじめて開催される、本格的なカイユボット展。開催がリリースされてからネットでも話題になっていましたが、いよいよブリヂストン美術館で始まりました。
印象派の重要人物にも関わらず、知名度があまり高くなかったギュスターヴ・カイユボット。理由は3点に集約されます。

①45歳で早世したため、作品数が少なかった。
②裕福だったために印象派を金銭面で支えたことから、画家としてではなく蒐集家としてとらえられた。
③都市情景の作品が多いカイユボットは「印象派=自然を素早い筆触で描く」のカテゴリに入りにくい。

印象派の一員でありながら、アカデミズム的表現も見られるカイユボット。その作品は近年になって大きな注目を集めるようになりました。


展覧会は自画像からスタートします

カイユボットの全体像に迫る本展。中でも印象派展への出展作品が多数展示されていることは特筆されます。カイユボットは、全8回行われた印象派展で5回出展しています。

メインビジュアルで紹介されている《ヨーロッパ橋》も第3回印象派展への出展作品。サン・ラザール駅の構内にかかる陸橋で描いたこの作品は、近代都市となったパリを象徴的に描いた1枚として、極めて高く評価されています。

ちなみにこの場所は、現在ではこのような感じです。


《ヨーロッパ橋》1876年

本展のサブタイトル「都市の印象派」にもあるように、カイユボットは都市の風景を描いた作品で知られますが、自然を描いた作品が無いわけではありません。

たとえばこちらは、イエール川でボートを漕ぐ男性を描いた一枚。水面の表現はモネの絵画を連想させます。

ただし、実はこの大自然も自分の敷地。カイユボットは11ヘクタールに及ぶ広大なイギリス式庭園を、夏の別荘地として使っていました。


《シルクハットの漕手》1877年頃

展覧会の後半にはブリヂストン美術館が2012年に新収蔵した《ピアノを弾く若い男》も登場、こちらも作家の代表作のひとつです。

当時は上流市民のステイタスだったピアノ。ピアノを弾く人物を描いた作品はルノワールをなどもありますが、モデルが男性(弟のマルシャル)なのは珍しい例です。

会場には作中とほぼ同年代のエラール社製ピアノも展示。ピアノのロゴも含めて、カイユボットが忠実に描いていたことが良く分かります。


会場には作中とほぼ同年代のエラール社製のピアノも

展覧会では、デジタル端末を利用した楽しい取り組みも2カ所で実施。1つ目はカイユボットが描いた地点を小型のタッチパネルで紹介するもので、作品と現在の地点を比べて見ることができます。

もう1つは、カイユボットをめぐる人々の紹介。こちらは大型ディスプレーで「カイユボットと家族」「印象派の仲間たち」の2コンテンツが楽しめます。


デジタル端末での紹介も

多角的な視点からなるような作品は、セザンヌに先行していたともいえるカイユボット。また、極端な遠近法を用いた作品など、じっくり見ていくとかなり個性的な作品も目にとまります。

作品の多くは個人蔵ということもあり、海外でもそう頻繁には開催できないカイユボット展。巡回はしないためブリヂストン美術館だけでのお楽しみとなります。お見逃しなく。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年10月9日 ]


料金一般当日:1,500円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場ブリヂストン美術館
開催期間2013年10月10日(木)~12月29日(日)
所在地 東京都中央区京橋1-10-1
TEL : 03-5777-8600
HP : http://www.bridgestone-museum.gr.jp/
展覧会詳細へ カイユボット展 ― 都市の印象派 詳細情報
取材レポート
文豪・泉鏡花×球体関節人形~迷宮、神隠し、魔界の女~
泉鏡花×人形
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
江戸東京博物館「発掘された日本列島 2018」
発掘された日本列島
国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
ルーヴル 肖像芸術
国立映画アーカイブ「没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」
旅する黒澤明
書物工芸 ―柳宗悦の蒐集と創造
書物工芸
渋谷区立松濤美術館「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」
アンティークレース
太田記念美術館「江戸の悪 PARTⅡ」
江戸の悪 PARTⅡ
東京国立近代美術館「ゴードン・マッタ=クラーク展」
マッタ=クラーク
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
没後50年 河井寬次郎展 ―過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今―
河井寬次郎展
JRA競馬博物館がリニューアルオープン
JRA競馬博物館
「川島小鳥写真展「つきのひかり あいのきざし」」
[エリアレポート]
「川島小鳥写真展」
「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル展
「ミホミュージアム 「赤と青のひみつ 聖なる色のミステリー」」
[エリアレポート]
「赤と青のひみつ」
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 生誕150年 横山大観展 縄文―1万年の美の鼓動 ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか
巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで― 野口哲哉「~中世より愛をこめて~ From Medieval with Love」 [企画展]水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお― 琉球 美の宝庫
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2017 ミュージアムキャラクターアワード
2017 結果発表
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社