北京の中心部にある故宮博物院。明朝の3代目皇帝永楽帝から清朝の溥儀まで、500年余にわたって栄えた宮殿「紫禁城」に由来します。
辛亥革命で溥儀が退位した後、1925年に「故宮博物院」が成立。中国の歴代皇帝が収集・愛蔵してきた至宝が一般に開放されることとなりました。
収蔵されている文物は180万件以上。歴史的・芸術的価値は極めて高く、1987年には世界遺産にも登録されています。
第1部「故宮博物院の至宝」 書画
今回の展覧会は、1972年の日中国交正常化から40周年を記念した特別展示です。
故宮博物院の開催する海外展として質・量ともに最大規模の展覧会であり、東京国立博物館で初めて開催される故宮展でもあります。
第1部「故宮博物院の至宝」 青銅器
出品されているのは選りすぐりの名宝200件。中でも「清明上河図」は中国美術史上屈指の名画ともいわれている逸品です。
北宋の都・開封(かいほう)の光景を描いたと言われる都市風景図で、汴河(べんが)の流れに沿って、市民の生活が細かく描かれています。
全長約5メートル、縦24センチの画面のなかに登場する人物は773人。ここまで精密に描かれた都市風景は、同時代の西洋にもほとんどありません。
(※清明上河図は1月24日(火)までの期間限定展示です)
第2部「清朝宮廷文化の精粋」
秘蔵の逸品の公開ということもあり、1月2日(月)の開幕直後から大きな人気を集めている本展。「清明上河図」の観覧には待ち時間も出ており、時間は公式ページの会場ライブで紹介されています。ご確認の上、お出かけください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2012年1月4日 ]
※会期中に展示替えがあります