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    レポート
    企画展示「ニッポンおみやげ博物誌」
    国立歴史民俗博物館 | 千葉県
    「おみやげ」から見るニッポン文化!
    皆さんは「おみやげ」と聞くと、何を思い浮かべますか? 旅先のキーホルダー、人に配るためのご当地お菓子…。さまざまな「おみやげ」から日本の贈答文化を見直す展覧会が、国立歴史民俗博物館で開催中です。
    4章「旅の文化の多様化とおみやげの展開」
    (上から)《東都名所・金龍山之図》歌川広重画 佐野屋喜兵衛版 天保年間(1830~44)末期 国立歴史民俗博物館蔵 / 《東都名所・芝神明境内》歌川広重画 佐野屋喜兵衛版 天保年間(1830~44)前期 国立歴史民俗博物館蔵 / 《江戸買物独案内》大坂・中川芳山堂 1824(文政7)年 国立歴史民俗博物館蔵
    3章「現代におけるおみやげの諸相」
    3章「現代におけるおみやげの諸相」
    (左上から)《黄鮒》栃木県 2018(平成30)年 個人蔵 / 《赤べこ》福島県 1960~80年代 国立歴史民俗博物館蔵 / 《姫だるま》愛媛県 1960~80年代 国立歴史民俗博物館蔵 / 《越前竹人形》福井県 1970~90年代 国立歴史民俗博物館蔵 / 《土人形 おわら土鈴》富山県 1960~80年代 国立歴史民俗博物館蔵
    (左奥から)《屋久杉 飾り壺》屋久杉岳南 作:日高英世 / 《UKOUKU 輪唱》作:貝澤徹 いずれも2011(平成23)年 国立歴史民俗博物館蔵
    (左上から)《クワガタ》東南アジア 1996(平成8)年 個人蔵 / 《タイマイ風の小物入れ》ベトナム 1990年代 個人蔵 / 《タイマイ》八丈島 1960年代 千葉県立中央博物館蔵
    (左から)《スクラップブック 入場券その他》1914(大正3)年 国立歴史民俗博物館蔵 / 《西国三十三所名所図会》1848(嘉永元)年序 国立歴史民俗博物館蔵
    (左から)《各種おみやげ、切符、栞の額装》戦後 千葉県立中央博物館蔵 / 《弁当の包装紙、その他の額装》戦後 千葉県立中央博物館蔵
    旅行するとつい考えがちな「おみやげ」。欧州で用いられる「スーベニア」は、自分自身の旅の思い出に「おみやげ」を購入することを示すようで、他人への贈与のために購入するのは、日本人独特の考え方だとされています。

    展覧会では、旅の思い出を他者へ伝えることから、自分の思い出として集められたものを通し、日本における「おみやげ」文化の変遷を展示、紹介していきます。

    第1章「アーリーモダンのおみやげ」では、近世におけるおみやげの成立と展開について。ここでのアーリーモダンは、江戸時代を示します。

    近代以降に発達した観光文化の特質の多くは、江戸時代に育まれました。展示されているのは、景勝地の絵図や道中記など。得意げに旅の思い出を話している当時の町民たちの姿が思い浮かびます。


    1章「アーリーモダンのおみやげ」・2章「観光地のブランド化とおみやげへの波及」

    続く第2章では、旅の目当てとなる場所や行事をおみやげにした事例を紹介しています。

    有名な行事や景勝地がパッケージになったお菓子の箱など、一度は頂いた、あるいは、贈ったことがあるものが展示、紹介されています。

    第3章では、観光地別で個性豊かなおみやげが展示されています。伝統工芸品のほか、その土地所縁の武将やご当地キャラクターなどが「おみやげ」になっています。


    3章「現代におけるおみやげの諸相」

    第4章「旅の文化と多様化とおみやげの展開」では、個性的なおみやげを紹介。海外でしか手に入らない珍しいおみやげや、ご当地名産のレトルトカレーなどが展示されています。

    北海道の《オホーツク流氷カリー》は、青色のカレーで、流氷に見立てたホワイトチキンが中に入っているそうです。一体、どんな味がするのでしょうか。視覚と味覚で楽しめるユニークなおみやげが並びます。


    4章「旅の文化の多様化とおみやげの展開」・5章「おみやげからコレクションへ」

    第5章は、今後のおみやげの展望について。購入されたおみやげの行く末を、展示作品から考えていきます。

    旅の思い出として、大事に取っておいても時間が経つとガラクタになってしまう物も多くあります。この章は「おみやげ」の在り方を再考する場でもあります。

    これからお盆休みに出かける多くの方が、「おみやげ」を自分のために、あるいは、親しい人のために買うでしょう。「おみやげ」を買う前に、旅で得た物語と結びつけてみてはいかがでしょうか。

    [ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2018年7月9日 ]

    おみやげ―贈答と旅の日本文化おみやげ―贈答と旅の日本文化

    神崎 宣武(著)

    青弓社
    ¥ 2,300


     
    会場
    会期
    2018年7月10日(火)~9月17日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入館は16:30まで) (3~9月)
    9:30~16:30(入館は16:00まで) (10~2月)
    休館日
    月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館) ※ただし、8月13日は開館
    住所
    千葉県佐倉市城内町117番地
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト https://www.rekihaku.ac.jp
    料金
    一般 830(560)円 / 高校生・大学生 450(250)円 / 小・中学生 無料

    ※( )内は20名以上の団体料金
    ※総合展示もあわせてご覧になれます。
    ※毎週土曜日は高校生は入館無料です。
    ※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。(専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です)
    ※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館が無料です。
    展覧会詳細 企画展示「ニッポンおみやげ博物誌」 詳細情報
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