インターネットミュージアムでも、
開館当初から注目していた岡田美術館。美術館入口を風神・雷神の大壁画「風・刻(かぜ・とき)」が迎えます。箱根の山に佇む巨大美術館。初めて行った方は、きっとその大きさにびっくりするでしょう。館内には名品が並び、豪華な空間が待ち構えています。
建物は5階建て、展示面積は約5000㎡。小さな美術館なら4~5館分もありそうな広大な美術館には、日本・東洋を中心とした絵画・漆芸、陶磁器など幅広い分野の作品が収蔵、常時約450点が公開されています。
本展の見どころは、喜多川歌麿の《深川の雪》。歌麿が晩年に描いたとされる掛軸画は、肉筆浮世絵史上最大級の大きさ。紺で統一された展示室では目を惹き、思わず足を止めて、見入ってしまいます。
《深川の雪》の展示期間は、12月28日(金)まで。今年は遅れ気味な秋ですが、そろそろ紅葉シーズン。行楽に合わせ、ぜひ足を運んでみてください。
※伊藤若冲《孔雀鳳凰図》展示期間:2018年12月29日~2019年3月30日尾形光琳《菊図屏風》は、美術館チケットの絵柄にも使用されている作品。琳派史上最も美しい菊花図の大作として、高い評価を得ています。近くで見ると、大輪を咲かせた菊の描写が見事です。
緻密な描き込みなら、光琳以外の作品も。「虎の翠石」とも称された、大橋翠石《虎図屏風》。貝殻を焼いて粉末状にした胡粉によって描かれた虎は、毛の一本一本が忠実に再現されています。
2015年に重要文化財に指定された、尾形乾山《色絵竜田川文透彫反鉢》。透かし入りの反り鉢で、文様との調和は見事です。
5周年分の美が集結する大展覧会です。鑑賞後は、疲れた足を癒す100%源泉かけ流しの足湯も設置。美術品と豊かな自然……目も心も癒しに、ぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか。
※作品はすべて岡田美術館収蔵です。
[ 取材・撮影・文:静居絵里菜 / 2018年9月28日 ]