本展を手がけたのはグラフィックデザイナーの佐藤卓さんと、プロダクトデザイナーの深澤直人さん。
おふたりは三宅一生さんとともに
21_21 DESIGN SIGHTのディレクターを務めており、洗練された空間構成は展覧会の見どころのひとつです。
会場展示されているのは「きりたんぽ」や「南部鉄器」など土産物などでお馴染みのもののほか、小さな馬鈴薯を加工した保存食「凍(し)みイモ」や、弘前の鍛冶職人による「りんご選定鋏」など、あまり見かけないものまで、計55種類。
うち7点については、映像展示でショートフィルム作品も紹介されています。
「りんご手かご」「イタヤ細工」など透明ガラスのケースに並べられた出展物は、シルエットが床面にくっきり映り、ものの形が印象的に表現されます。
工芸品のような趣があるのは、なんと駄菓子。江戸時代から続く庶民のおやつです。
「駄菓子」東北の食べるものや日常使う道具は、もともと自分たちの生活のためのもので、売るものではありませんでした。
マーケットを意識しないこれらは、一見現代の社会からは真逆に位置するものですが、そこに日本のものづくりの精神が潜んでいると説明されています。
壁面での展示本展は2011年7月に開催された特別企画「東北の底力、心と光。『衣』、三宅一生。」に続く企画。
東日本大震災を受けた企画ですが、それを意識させないほど、東北のモノがもっている美しさが迫ってくる展覧会です。(取材:2012年4月26日)