ベルリン国立美術館はひとつのミュージアムではなく、ベルリンにある15の総合美術館・博物館の総称です。その歴史はプロイセン帝国時代に遡ります。
強力な経済力を背景に、国家的に美術品を蒐集していったプロイセン帝国。19世紀には王家のコレクションを元に、プロイセン帝国の首都ベルリンに国立美術館・博物館が誕生し、現在の礎となりました。
第1章「15世紀:宗教と日常生活」展覧会は6章での構成。15~18世紀までの時代別と素描の章で、作品は107点です。
第1章「15世紀:宗教と日常生活」
第2章「15-16世紀:魅惑の肖像画」
第3章「16世紀:マニエリスムの身体」
第4章「17世紀:絵画の黄金時代」
第5章「18世紀:啓蒙の時代へ」
第6章「魅惑のイタリア・ルネサンス素描」
第5章「18世紀:啓蒙の時代へ」もちろん、最大の目玉はヨハネス・フェルメールの《真珠の首飾りの少女》。左側の窓から光が差し込むフェルメールお馴染みの構図で、壁にかかった小さな鏡の前でポーズを取る可憐な女性。自筆は僅か36点といわれているフェルメール作品の中でも、傑作と称されるひとつです。
ヨハネス・フェルメール《真珠の首飾りの少女》ルーカス・クラーナハ(父)の《ルクレティア》にも注目が集まります。ローマ王政期の悲劇であるルクレティア自害の物語を描いた作品で、37.3×23.9cmという小品ですが、エロティックな身体と意思の強い表情は、強い存在感があります。
ルーカス・クラーナハ(父)《ルクレティア》素描版画館からは、ボッティチェッリやミケランジェロなどの素描29点も来日。これらの素描は保管上の理由で、一般公開後は4年間非公開になってしまいます。お見逃しないように。
第6章「魅惑のイタリア・ルネサンス素描」6月30日(土)から同じ上野公園内の
東京都美術館で開幕する
「マウリッツハイス美術館展」にも、フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》が出展されます。フェルメール好きにはたまらない夏になりそうです。(取材:2012年6月12日)