タツノコプロは竜夫、健二、豊治(九里一平)の吉田三兄弟が1962年に設立しました。当初は漫画の製作工房でしたが、1963年にアニメの企画を打診されたことをきっかけに、自社でアニメ制作を始めました。
記念すべき第一作は1965年に放映された「宇宙エース」。会場にはモノクロのオープニング画像や背景画などが展示されています。
「宇宙エース」タツノコプロのヒーローの中でも印象深いのが「科学忍者隊ガッチャマン」。3シリーズで全205話が作られるヒット作となりました。子供向けのアニメながら、大人も充分楽しめる骨太なストーリーが特徴的でした。
会場では等身大の“大鷲の健”や、科学忍者隊のヘルメットなども展示。ちなみに1972年のキャラクター設定図は、湿式コピー紙(いわゆる青焼き)。こちらも時代を感じさせます。
「科学忍者隊ガッチャマン」タツノコプロのギャグ路線の決定版が「タイムボカンシリーズ」。正義の味方と悪玉トリオがメカを使ってお宝を争奪するストーリーで、主役よりも人気を集めた悪玉トリオの掛け合いが見ものでした。タイムボカン、ヤッターマン、ゼンダマンと続き、全8作が放映されています。
「タイムボカンシリーズ」メルヘン路線の第一弾が「昆虫物語みなしごハッチ」。母親を探しながら過酷な旅を続けるハッチの姿に涙を流した元少年少女も多いのではないでしょうか。
「昆虫物語みなしごハッチ」「マッハGoGoGo」は「宇宙エース」に続くタツノコプロ第二作。天才レーサー・三船剛が「マッハ号」に乗って世界を駆けめぐるカーアクションです。心地よいメロディーの主題歌も流行しました。
「マッハGoGoGo」この項で紹介できなかった作品も「ハクション大魔王」「新造人間キャシャーン」「樫の木モック」「けろっこデメタン」など、記憶に残る名作が目白押し。いかにタツノコプロの影響力が強かったか、再認識させられました。
近年も新作アニメ映画や、原作を元にした実写版などで、改めて注目を集めているタツノコプロの世界。日本が世界に誇るアニメ文化の原点は、まさにここに溢れています。(取材:2012年8月8日)