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    レポート
    Kawaii 日本美術 ― 若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで ―
    山種美術館 | 東京都
    室町から現代まで、Kawaiiが満開
    すっかり海外にも広まった、日本の「Kawaii」文化。マンガやアニメの世界だけでなく、古くからの日本美術の中にも「Kawaii」は数多く揃っています。山種美術館は館長をはじめ、学芸員も全員が女性。女性ならではの視点で集められたKawaii日本美術の逸品を、心ゆくまで堪能いただけます。
    (右から)西村五雲《犬》 / 川﨑小虎《仔犬》 / 麻田辧自《薫風》 いずれも山種美術館
    狩野常信《七福神図》 山種美術館(会期中巻替)
    (右から)上村松園《折鶴》 山種美術館 / 柴田是真《菅公七童詠歌図》(展示期間:1/3~2/2)
    (右から)川端龍子《百子図》 大田区立龍子記念館 © Minami Kawabata & Ryuta Kawabata 2013 / JAA1300195 / 川﨑小虎《ふるさとの夢》 山種美術館
    (右から)小川硬《天草(納戸)》 / 山口華楊《生》 / 山口華楊《木精》 いずれも山種美術館
    (右から)横山大観《春の水・秋の色》 / 結城素明《巴里風俗》 山種美術館
    柴田是真《墨林筆哥》 山種美術館
    谷内六郎《『にっぽんのわらべうた』挿絵原画》のうち、右から「ほ ほ ほたるこい」 / 「かごめ かごめ」 ともに谷内達子氏所蔵 © Michiko Taniuchi
    会場
    平安時代の枕草子にも「うつくしきもの(=かわいいもの)」として、幼児や雀の子が挙げられているなど、古くから「かわいい」ものを愛でる文化がある日本。展覧会では室町時代から現代までの日本美術の中から「Kawaii」をテーマに作品をピックアップしました。

    年始の関係で、報道内覧会より前の1月3日(金)に始まった本展は、初日から1,000人以上のお客様が来館。英文表記の「Kawaii」とした効果か、外国人も多く訪れるなど、スタートから話題を呼んでいます。


    会場

    会場の前半は、子どもを描いた作品から。子どもは、その小ささ、表情、仕草など「かわいい」ものの代表的な存在です。

    文人のたしなみである「琴棋書画」を子どもが興じる様子を描いた伝長沢芦雪《唐子遊び図》、七福神と戯れる唐子を描いた狩野常信《七福神図》など、絵の中から声が聞こえそうな子どもたち。微笑ましい作品が並びます。


    順に、伝長沢芦雪《唐子遊び図》、狩野常信《七福神図》(会期中巻替)、小川芋銭《農村春の行事絵巻》(会期中巻替)、吉村忠夫《伊勢物語》(合作)のうち「筒井筒」 いずれも山種美術館

    「かわいい」存在なら、動物も忘れるわけにはいきません。犬、猫、兎、鳥など、愛らしい動物が描かれた絵画は、枚挙にいとまがないほどです。

    《藤袋草子絵巻》は、擬人化された猿を描いた室町時代の作品。天地19.8センチの小さな絵巻物(小絵:こえ といいます)で、人間味のある仕草をする猿の姿が、表情豊かに描かれています。


    《藤袋草子絵巻》サントリー美術館(会期中巻替)

    Kawaii日本美術の展示は、小さな展示室(第2展示室)にも。いつもの山種美術館は日本画が中心ですが、今回は洋画や水彩画から工芸品まで、幅広く紹介されています。

    ミミズク好きだった棟方志功、単純化された線描と色彩の熊谷守一、週刊新潮の表紙絵で知られる谷内六郎など、こちらもKawaiiテイストが満開です。


    会場

    本展は図録も特にオススメ。持ち運びに便利で書棚への収まりもいいA5版のハンディサイズはいつもと同様ですが、細部のトリミングやアップの画像が入り、解説文が吹き出し風に書かれ、より親しみやすい構成です。1冊1,000円(本体価格)、地下のミュージアム・ショップでお求めください。

    なお、本展は会期中一部作品の展示替えがあります。展覧会メインビジュアルとして使われている伊藤若冲《樹花鳥獣図屏風》(静岡県立美術館)は、後期の2月4日(火)~3月2日(日)の展示となります。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年1月6日 ]

    ヘンな日本美術史

    山口 晃 (著)

    祥伝社
    ¥ 1,890

     
    会場
    会期
    2014年1月3日(金)~3月2日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館16:30まで)
    ※特別展の開館時間は変更になることもあります。
    休館日
    月曜日休館 ただし1月13日(月祝)は開館、1月14日(火)は休館
    住所
    東京都渋谷区広尾3-12-36
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.yamatane-museum.jp/
    料金
    一般 1,200円(1000円)/大高生 900円(800円)/中学生以下無料
    ※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。
    ※障がい者手帳、被爆者手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。
    展覧会詳細 Kawaii 日本美術 ― 若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで ― 詳細情報
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