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    レポート
    日本美術院再興100年 特別展「世紀の日本画」
    東京都美術館 | 東京都
    前後期で楽しむ、近代日本画の名品
    1914(大正3)年、岡倉天心の没後一周忌を期に、横山大観らによって再び興された日本美術院。「再興」の歴史がはじまって100年になることを記念し、近代日本画の巨匠たちによる選りすぐりの名品が揃いました。
    (左から)平山郁夫《天堂苑樹》 / 羽石光志《飛鳥の太子》 / 安田靫彦《卑弥呼》
    (左から)重要文化財 橋本雅邦《白雲紅樹》 / 重要文化財 狩野芳崖《不動明王》
    (左から)小林古径《楊貴妃》 / 安田靫彦《飛鳥の春の額田王》 / 奥村土牛《閑日》
    (左から)下村観山《天心岡倉先生画稿》 / 安田靫彦《五合庵の春》 / 安田靫彦《二少女》 / 川端龍子《佳人好在》
    (右から)山本鼎《自画像》 / 小杉未醒《飲馬》
    (右から)岩橋英遠《神々とファラオ》 / 郷倉和子《真昼》 / 島多訥郎《安息の太陽》
    (右から)北田克己《夜明けの地》 / 松尾敏男《樹海》 / 荘司福《風化の柵》
    (左から)速水御舟《京の舞妓》 / 堅山南風《大観先生》
    会場
    岡倉天心が1898(明治31)年に設立した日本美術院。大学院のような研究機関を意識して「院」と名付けられました。

    再興されてからは戦時中の2回を除き、毎年9月に東京都美術館で「再興院展」を開催。100年にわたって継続的に活動している美術団体は、世界にも類を見ません。

    本展は、近代日本画をリードしてきたオールスターによる夢の競演。日本美術院賞(大観賞)の受賞作を中心に現役の同人(日本美術院では"どうにん"と呼びます)の作品も展示され、近代日本画の歩みそのものといえる豪華な作品が揃いました。


    会場入口から

    会場は7章構成です。

     第1章「名作で辿る日本美術院の歩み」
     第2章「院展再興の時代 ─ 大正期の名作」
     第3章「歴史をつなぐ、信仰を尊ぶ」
     第4章「花。鳥。そして命を見つめて」
     第5章「風景の中で」
     第6章「幻想の世界」
     第7章「人のすがた」

    1~2章は時代順で。続く3~7章は再興美術院の歩みが日本画のテーマ別に紹介されます。


    会場

    「世紀の日本画」展ですが、会場には洋画と彫刻も。再興された日本美術院には、日本画だけでなく洋画部と彫刻部もありました。

    洋画部は1920(大正9)年に脱退、彫刻部は彫塑部と名前を変え、1961(昭和36)年に解散しています。


    洋画と彫刻も展示

    見どころのひとつが、第6章「幻想の世界」。日本画=伝統的・古典的と決めてかかっていると、驚くような作品が並びます。

    洋画ではマティスやピカソらが構成的な絵画表現を模索したように、日本画家たちも従来の手法に留まることはありません。見えないものを可視化したり、実際にあり得ない世界を作ったりと、さまざまな方法を模索しながら、自らの世界観を創り上げていきました。


    第6章「幻想の世界」

    展覧会には重要文化財6点を含め、全国約60カ所から実に120点が出展。院展の全貌を紹介するために、前後期ですべての作品が入れ替わります(前期は2月25日(火)まで。後期は3月1日(土)から)。これほどの充実でも、実はまだ半分。後期展示はプライベートで訪れたいと思います。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年1月24日 ]

    月刊 美術 2014年2月号

    コロナ・ブックス編集部 (編集)

    実業之日本社
    ¥ 1,840

    料金一般当日:1,400円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2014年1月25日(土)~4月1日(火)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:30
    休館日
    月曜日休室 ただし2月24日(月)、3月31日(月)は開室、2月26日(水)~2月28日(金)は展示替えのため休室
    住所
    東京都台東区上野公園8-36
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.nichibisai.jp/
    料金
    一般 1,400(1,200)円/学生 1,200(1,000)円/高校生 800(600)円/65歳以上 1,000(800)円
    ※前後期セット券 一般2,000円で2014年1月24日まで発売
    ※()内は20名以上の団体料金および前売料金
    ※中学生以下無料
    ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添の方(1名まで)は無料。
    ※毎月第3水曜日はシルバーデーにより、65歳以上の方は無料。
    ※毎月第3土・翌日曜日は親子ふれあいデーにより、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住)は一般当日料金の半額。
    ※都内の小学・中学・高校生ならびにこれらに準ずる者とその引率者が教育課程に基づく学校教育活動として観覧するときは無料(事前申請が必要)
    ※いずれの割引も証明できるものをご持参ください。
    展覧会詳細 日本美術院再興100年 特別展「世紀の日本画」 詳細情報
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