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    レポート
    「驚くべきリアル」展
    東京都現代美術館 | 東京都
    スペイン・ラテンアメリカの現代美術
    2013/2014年は「日本スペイン交流400年」。交流事業の一環として開催される本展では、スペイン・ラテンアメリカ美術の現在を紹介します。
    エンリケ・マルティ《訪問者たち》2005年 MUSAC蔵 ©Enrique Marty, Courtesy: MUSAC
    (左から)ライモン・チャベス&ヒルダ・マンティージャ《旅程》2007年 MUSAC蔵 ©Raimond Chaves & Gilda Mantilla, Courtesy: MUSAC / ヒルダ・マンティージャ《博物学》2006年 MUSAC蔵 ©Gilda Mantilla, Courtesy: MUSAC
    サンドラ・ガマーラ《ガイドツアー(リマ現代美術館LiMacカタログ)》2003年MUSAC蔵 ©Sandra Gamarra, Courtesy: MUSAC
    (奥)エンリケ・マルティ《家族》1999年 MUSAC蔵 ©Enrique Marty, Courtesy: MUSAC
    ディアンゴ・エルナンデス《分断されたリヴィングルーム》2006年 MUSAC蔵 ©Diango Hernández, Courtesy: MUSAC
    カルロス・ガライコア《なぜ地はこんなにも自らを天に似せようとするのか(Ⅱ)》2005年 MUSAC蔵 ©Carlos Garaicoa, Courtesy: MUSAC
    ビセンテ・ブランコ《無題》(「雪景色シリーズ」より)2002年 MUSAC蔵 ©Vicente Blanco, Courtesy: MUSAC
    (左から)MP & MP ロサード《野良犬のように》2003年 MUSAC蔵 ©MP&MP Rosado, Courtesy: MUSAC / タティアナ・パルセロ《信仰の行為#2》2003年 MUSAC蔵 ©Tatiana Parcero, Courtesy: MUSAC
    (左から)マリナ・ヌニェス《モンスター》シリーズ 1998年 MUSAC蔵 ©Marina Núñez, Courtesy: MUSAC/ミゲル・アンヘル・ロハス《聖女1》(ポリプティック)2005年 MUSAC蔵 ©Miguel Ángel Rojas, Courtesy: MUSAC

    ベラスケス、ゴヤ、ミロ、ダリ、そしてピカソ。美術史に残る著名な芸術家を数多く輩出しているスペインですが、現代の作品としては、昨年Bunkamura ザ・ミュージアムで紹介されたアントニオ・ロペスをのぞけば、日本で紹介される機会はほとんどありませんでした。


    本展は、スペイン北西部のレオン(León)市にあるカスティーリャ・イ・レオン現代美術館の所蔵作品から、1990年代~2000年代の作品を中心に紹介する企画。スペインおよびラテンアメリカゆかりの作家、計27組による作品が展示されています。


    会場


    展覧会のテーマは「驚くべきリアル」。とはいっても、いわゆる写実作品を展示するのではなく、現実を感じさせながらも作家ならではの切り口で咀嚼し、それぞれの“リアル”を表現した作品が紹介されています。


    会場入口にある三体の人形は、エンリケ・マルティの《訪問者たち》。マルティは身近な人物をモデルにした作品を作っており、こちらもモデルは友人。なんと髪や体毛は本人のものを使用しています。顔のシミやしわは過剰なほど忠実に作られる一方で、身長は幼児ぐらいに縮小。奇妙なリアル感が漂います。


    壁一面に展示された約90枚の連作《家族》も、エンリケ・マルティの作品。家族を撮ったスナップショットを元にした油彩ですが、鼻が伸びていたり、血が出ていたりと、奇妙な要素が付け加えられています。


    真っ二つに切断された家具を左右対称に配置した《分断されたリヴィングルーム》は、キューバ出身のディアンゴ・エルナンデスによる作品。同国の政治的な問題を比喩的に表現しています。またキューバでは、エコロジーではなくモノ不足により、日常的に再利用が行われているそうです。


    暗い部屋に入ると、眼下に小さな灯りが広がるインスタレーション作品は、カルロス・ガライコアの《なぜ地はこんなにも自らを天に似せようとするのか(Ⅱ)》。ガライコアもキューバ出身です。上空から都市の夜景を俯瞰したような作品で「天と地の間にある我々が展開する無限のゲーム」という発想から着想されました。


    本展は写真撮影も可能(フラッシュ、三脚は不可)。巡回はせず、東京都現代美術館だけでの開催です。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年2月21日 ]



    会場
    会期
    2014年2月15日(土)~5月11日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
    休館日
    月曜日(5/5は開館)、5/7
    住所
    東京都江東区三好4-1-1
    電話 03-5245-4111(代)
    公式サイト http://www.mot-art-museum.jp/
    料金
    一般 1,100円(880円)/大学生・65歳以上 800円(640円)/中高生 600円(480円)/小学生以下無料
    *( )内は20名以上の団体料金
    *身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)は無料です。
    *毎月第3水曜日は65歳以上の方は年齢を証明できるものを提示していただくと無料になります。
    *本展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
    同時開催の「MOTアニュアル2014 フラグメント-未完のはじまり」との2展セット券
    一般1,600円、大学生・65歳以上1,200円、中高生700円
    展覧会詳細 「驚くべきリアル」展 詳細情報
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