中川李枝子さんと山脇(大村)百合子さんの姉妹による『ぐりとぐら』シリーズ。
愛らしい絵とストーリーは世代を超えて支持を集め、累計は2400万部にのぼる「絵本の中の絵本」です。
会場入口にはぐりとぐらが森の奥で見つけた、大きなたまごが
ぐりとぐらの原型になったのは、月刊誌「母の友」に掲載された「たまご」。発表時は文章に白黒の挿絵という構成でした。
絵本になった時に、山脇さんは国立科学博物館でねずみの標本を調べ、グレーではなくオレンジ色のねずみを選択。トレードマークになった赤と青のファッションもここで決まりました。
こうして1963年11月に絵本なった『ぐりとぐら』。50年の間に7つの物語が世に送り出されています。
50年の間に7つの物語になった、ぐりとぐら
会場には原画がずらり。ぐりとぐら全7作品の貴重な原画をはじめ、姉妹のデビュー作である童話『いやいやえん』の挿絵原画まで、50年の軌跡を約200点の原画で展観します。
ぐりとぐらの世界は、国境を越えて拡大。世界11の国と地域に広がった海外版も紹介されました。
原画がならびます
会場のデザインも見どころのひとつ。絵本の展覧会に相応しい楽しい会場は、家具デザイナーの小泉誠さんが担当しました。
毛糸の玉・雲・カボチャなど物語に登場するアイテムと、巨大な絵本が立てられた中を進んでいきます。
会場
この他も、映画監督・宮崎駿さんと中川さんの対談映像や読書コーナーなども用意。誰もが暖かい気持ちになるぐりとぐらの世界を、ゆっくりとお楽しみください。
松屋銀座を皮切りに、全国巡回する本展。鹿児島展は長島美術館で7月20日~8月31日、広島展はひろしま美術館で9月6日~10月13日、愛知展はジェイアール名古屋タカシマヤで2015年2月17日~3月2日、兵庫展は伊丹市立美術館で2015年4月11日~5月31日、福島展も2015年に開催予定です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年2月27日 ]