印象派は日本で最も人気がある西洋絵画ですが、「印象派の陶磁器」は初耳の方も多いのではないでしょうか。
パリでは第1回印象派展から100年後の1974年に開催された「セラミック・インプレッショニスト(Céramique Impressionniste)」展で、印象派絵画のような筆致で装飾された陶磁器群が「印象派の陶磁器」と呼ばれ、その高い芸術性に注目が集まりましたが、日本で系統的に紹介されるのは初めての機会となります。
テーブルセッティングのコーナーは、一般の方も撮影可能です。会場は4部構成。一番の見どころは3部の「ファイアンス陶器から『印象派の陶磁器』 テラコッタへ-アビランド社オートゥイユ工房」で、画家がキャンヴァスに描くように鮮やかな絵付が施された作品が並びます。
こちらは、テラコッタの上から泥しょう(スリップ)を掛ける「バルボティーヌ」という技法を用いたもの。装飾図案を担当する芸術家たちは、印象派の絵画だけでなく日本の版画などからも想を得て、次々に美しいテーブルウェアを生み出していきました。
3部「ファイアンス陶器から『印象派の陶磁器』 テラコッタへ-アビランド社オートゥイユ工房」展覧会のご案内とは少し外れますが、ぜひ注目していただきたいのが会場の入口。壁面とレリーフに映し出される映像は、パナソニック株式会社 エコソリューションズ社による照明機能と映像投影機能を組み合わせた「Space Player(スペース プレーヤー)」による演出です。
会場入口の美しい演出も必見です会場にはモネやルノワールといった印象派の絵画も展示されております。あわせてお楽しみください。
巡回展の本展は、滋賀展、山口展、岡山展と続いて、
パナソニック 汐留ミュージアムで4会場目。東京展の後には
岐阜県現代陶芸美術館(2014年7月5日~8月24日)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年4月4日 ]