2007年の六本木開館を機に、教育普及活動に力を入れているサントリー美術館。本展は子どもはもちろん、外国の人でも楽しめるように日英バイリンガルで解説されています。
まずは「出現!鳳凰ワールド」から。スクリーンの前で羽ばたくと鳳凰が現れてナビゲートしてくれます。狩野探幽による《桐鳳凰図屛風》を中心に、鳳凰をあしらった作品が展示されています。
暗い部屋に進むと「きらきら!切子の宇宙」。美しい切子が、実物とマジックミラーを使った映像で紹介されています。
「出現!鳳凰ワールド」「きらきら!切子の宇宙」続いて「かこまれて!くつろぎの宝尽ルーム」。宝物が描かれた《色絵寿字宝尽文八角皿》に見立てて、宝物のクッションが入った大きな皿は、ボールプールのようです。
「みんなで叫んで!吹墨文」では、美術館で大声を出すというタブーに挑戦。マイクに向かって声を出すと、巨大なとっくりに吹墨文が浮かび上がります。私が試した時は「シュッシュッシュッ…」と短く切ったら、良い感じになりました。
「かこまれて!くつろぎの宝尽ルーム」「みんなで叫んで!吹墨文」音声ガイドを使って楽しめる「みて・きいて! 鼠草子絵巻」。絵巻の文字は読みにくいですが、音声ガイドで優しく解説。人間と結婚したいという夢を果たしたネズミの物語ですが、切ない結末です。
最後は「おしゃれに!自分だけのキモノ・デザイン」。色や文様を組み合わせて、自分だけの着物をデザインし、完成すると大型ディスプレイで表示されます。他の人のデザインも一緒に映る事もあり、大人もかなり創作意欲が刺激されます。
「みて・きいて! 鼠草子絵巻」「おしゃれに!自分だけのキモノ・デザイン」会場にはデジタル体験の元となる実物の作品も展示されているので、体験の後に見てみると、改めて気が付く事も。主に美術館初心者を意識した企画ですが、美術ファンにとっても楽しいひと時が過ごせると思います。全館撮影OKも、見逃せないポイントです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年7月31日 ]■おもしろびじゅつワンダーランド 2017 に関するツイート