インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより

ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより

■裸体表現の200年
【会期終了】 西洋美術において、ヌードは最も身近なテーマのひとつ。時代によって表現は異なりますが、古くから数多くの作家がヌードに挑んでいきました。英国テートが所蔵する122点に国内所蔵の12点を加え、19世紀から現代までの裸体表現を辿る展覧会が、横浜美術館で開催中です。
ひとりひとりが、必ず持っている身体。ただ、ありのままの身体=ヌードの表現は、美術において常に論争の的となってきました。

ヌードの社会的な位置づけも踏まえつつ、表現の変遷を追う本展。前半は「物語とヌード」「親密な眼差し」「モダン・ヌード」と進みます。

ヴィクトリア朝の英国では、女性ヌードには多くの制約がありました。滑らかな肌で生々しさを排除した、フレドリック・レイトン。逆にウィリアム・エッティらは、主題や表現が適切でないと批判されました。

都市生活とヌード表現が結び付いたのは、19世紀末から。ピエール・ボナールは妻をモデルに、入浴する人物を描きました。対象との距離の近さが際立ちます。

キュビスムや未来派などのモダニズムの作家も、ヌードをテーマにしています。そのアプローチ方法は、プリミティヴ・アートにも類似しています。


1~3章

展覧会メインビジュアルとして大きく紹介されているのが、オーギュスト・ロダン《接吻》。「エロティック・ヌード」の章で展示されています。

ロダンは、生存中に大理石像の《接吻》を3体制作しています。フランス政府が発注した作品と、それを見たコレクターによって注文された2作品で、本展で来日したのは後者。高さ182.2センチの大作で、エロティシズムと理想主義が完全に調和した傑作です。

ロダンの《接吻》は、約100年前に武者小路実篤が絶賛するなど、日本でも早くから注目を集めていましたが、今回が待望の初来日。しかもこの作品のみ、どなたでも撮影いただけます。


4章「エロティック・ヌード」 オーギュスト・ロダン《接吻》

後半は「レアリスムとシュルレアリスム」「肉体を捉える筆触」「身体の政治性」「儚き身体」という流れ。社会や意識の変化にともなって、ヌード表現もさまざまな様相を見せていきます。

球体関節人形のハンス・ベルメールは、ふたつの臀部を持つ人体を制作。バルテュスによるエロティックな表現は、今日でも物議を醸しています。

50年代以降には、絵画の筆触を重視した絵画が制作。フランシス・ベーコンは孤独や不安を表現。ルシアン・フロイドは厚塗りで濃密なヌードを描きました。

70年代にはフェミニズムの意識が高揚。「男性からの視線」というそれまでのヌードに対し、真っ向から対峙する動きも生まれました。

最後に展示されている、フィオナ・バナー《吐き出されたヌード》は、裸体のモデルを言葉で記述したもの。肉体は全く描かれていませんが、ヌード作品です。


5~8章

200年に渡るヌードの表現の変遷を一望できる展覧会。テートにより国際巡回展として企画されたもので、2016年にシドニー(オーストラリア)で始まり、オークランド(ニュージーランド)、ソウル(韓国)と巡回してきました。日本では横浜美術館だけでの開催です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年3月23日 ]

芸術新潮 2018年 04 月号芸術新潮 2018年 04 月号

 

新潮社
¥ 1,440


■横浜美術館 NUDE に関するツイート


 
会場横浜美術館
開催期間2018年3月24日(土)~6月24日(日)
所在地 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://artexhibition.jp/nude2018/
展覧会詳細へ ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより 詳細情報
取材レポート
上野の森美術館「フェルメール展」
フェルメール展
東京都美術館「ムンク展 ― 共鳴する魂の叫び」
ムンク展
国立西洋美術館「ルーベンス展 ─ バロックの誕生」
ルーベンス展
国立新美術館「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」
ピエール・ボナール
東京国立博物館「マルセル・デュシャンと日本美術」
M・デュシャン
東京国立近代美術館「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960-1990年代」
アジアにめざめたら
21_21 DESIGN SIGHT「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」
「民藝」展
岡田美術館「開館5周年記念展 美のスターたち ―光琳・若冲・北斎・汝窯など名品勢ぞろい―」
美のスターたち
山口県立美術館「没後400年 雲谷等顔展」
雲谷等顔展
東京国立博物館「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」
京都 大報恩寺
京都国立博物館「特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」」
京のかたな
太田記念美術館「花魁ファッション」
花魁ファッション
国立新美術館「生誕110年 東山魁夷展」
東山魁夷展
森美術館「カタストロフと美術のちから展」
カタストロフと美術
三井記念美術館「特別展「仏像の姿」~ 微笑む・飾る・踊る~」
「仏像の姿」
東京国立博物館「特別企画 斉白石」
斉白石
国立西洋美術館「ルーベンス展 ― バロックの誕生」
[エリアレポート]
ルーベンス展
上野の森美術館「フェルメール展」
[エリアレポート]
フェルメール展
大阪市立美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ――人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル美術館展
東京都美術館「ムンク展 ― 共鳴する魂の叫び」
[エリアレポート]
ムンク展
水戸芸術館現代美術ギャラリー「霧の抵抗 中谷芙二子」
[エリアレポート]
霧の抵抗
東京都写真美術館「建築 × 写真 ここのみに在る光」
[エリアレポート]
建築 × 写真
MIHO MUSEUM「百の手すさび 近代の茶筅と数寄者往来」
[エリアレポート]
百の手すさび
国立科学博物館「明治150年記念 日本を変えた千の技術博」
[エリアレポート]
千の技術博
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕110年 東山魁夷展 フェルメール展 ルーベンス展 ー バロックの誕生 没後50年 藤田嗣治展
ムンク展―共鳴する魂の叫び フェルメール展 江戸絵画の文雅 ―魅惑の18世紀 国立ロシア美術館所蔵 ロシア絵画の至宝展
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018、グランプリは
「雷切丸くん」 でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 《萱草遊狗図》 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社