インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  大名茶人・松平不昧 -お殿さまの審美眼-

大名茶人・松平不昧 -お殿さまの審美眼-

■名品を集め、名品をつくる
【会期終了】 茶道の世界に大きな足跡を残した大名茶人・松平不昧(1751-1818)。確かな鑑識眼で名品を数多く蒐集し、その中には今日、国宝や重要文化財に指定されているものも多く見られます。今年はちょうど没後200年、記念の展覧会が三井記念美術館で開催中です。
松江藩松平家第七代藩主・治郷(はるさと)こと、松平不昧。若い頃より茶の湯を好み、道具も積極的に蒐集しました。

会場は冒頭から、不昧が蒐集した名品が並びます。奥の展示室2にあるのは、国宝《大井戸茶碗 喜左衛門井戸》(展示期間:4/21~5/22、5/29~6/17)。不昧が所持していた三つの大井戸茶碗のうちのひとつです。

この茶碗を所持した人は腫物を患うという伝承があり、不昧も言い伝えどおり腫物ができてしまいました。心配した不昧の正室は茶碗を手放すように進言しましたが、不昧は妻の願いを一蹴。心底、この茶碗を愛していたのです(ただ、不昧の没後、子も腫物になったため、茶碗は他所に移りました)。


第1章「雲州蔵帳の名品 ─ 茶道研究の成果」

不昧は10代初めから石州流茶道を学び、19歳で禅を志しています。江戸時代後期の茶道は遊芸化が進んでいましたが、不昧は利休の茶に帰る事を提唱、茶禅一味の茶の湯を目指しました。‘不昧’の号も、禅僧から授けられたものです。

不昧が所持した茶道具は、松平家の蔵帳といえる『雲州蔵帳』に記されています。雲州蔵帳には類本があり、本展では、今まであまり知られていなかった月照寺(松江市)所蔵の『御茶器帳(雲州蔵帳)』が出品されています。

不昧は56歳で隠居し、品川大崎の下屋敷(現在の御殿山)に移住。11棟の茶室がある庭園を造り、没するまでこの地で過ごしました。東都随一の名園と評判を呼びましたが、後年、黒船来航の際に品川沖警備の軍用地になり、取り壊されています。


第2章「茶の湯を極める ― 大名茶人の誕生」

不昧は名品を蒐集するだけでなく、名品を手本とし、さらに自分の美意識を反映して、職人に道具をつくらせました。

蒔絵師の原羊遊斎につくらせたのが、豪華な《菊蒔絵大棗》。桃山時代につくられた余三作《高台寺棗》を手本にしたものです。

余三作の《高台寺棗》は複数あり、どれを元にしたのかはっきりしませんでしたが、『御茶器帳(雲州蔵帳)』の記述から、本展出品のものが不昧の旧蔵品である事が判明しました。

塗師では、初代・小島漆壺斎が有名。漆壺斎による《楽写菊桐蒔絵香合》も、不昧所持の古典作品から生まれたものです。


第3章「プロデューサーとしての不昧 ― 洗練を極めたお好み道具」

不昧没後200年を記念する展覧会は、畠山記念館でも「没後200年 大名茶人 松平不昧と天下の名物-『雲州蔵帳』の世界」展が開催中です。ふたつの展覧会で相互割引が行われており、半券の提示で入館料が割引になります。

※会期中に一部の展示替えがあります。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年4月20日 ]

松平不昧―名物に懸けた大名茶人松平不昧―名物に懸けた大名茶人

木塚久仁子(著)

宮帯出版社
¥ 2,916


■三井記念美術館 に関するツイート


 
会場三井記念美術館
開催期間2018年4月21日(土)~6月17日(日)
所在地 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
TEL : 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
HP : http://www.mitsui-museum.jp
展覧会詳細へ 大名茶人・松平不昧 -お殿さまの審美眼- 詳細情報
取材レポート
サントリー美術館「琉球 美の宝庫」
琉球 美の宝庫
東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」
藤田嗣治
三菱一号館美術館「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」
「ショーメ」展
国立西洋美術館「ミケランジェロと理想の身体」
ミケランジェロ
国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
ルーヴル 肖像芸術
東京国立博物館「特別展「縄文―1万年の美の鼓動」」
「縄文」展
神奈川県立歴史博物館「明治150年記念 真明解・明治美術」
真明解・明治美術
静嘉堂文庫美術館「─ 明治150年記念 ─ 明治からの贈り物」
明治からの贈り物
文豪・泉鏡花×球体関節人形~迷宮、神隠し、魔界の女~
泉鏡花×人形
平塚市美術館「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」
深堀隆介
太田記念美術館「落合芳幾」
落合芳幾
国立歴史民俗博物館「企画展示「ニッポンおみやげ博物誌」」
おみやげ博物誌
没後50年 河井寬次郎展 ―過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今―
河井寬次郎展
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館「巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで―」
クレパス画展
出光美術館「「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ」
都市の華やぎ
千葉市美術館「木版画の神様 平塚運一展」
平塚運一
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
「川島小鳥写真展「つきのひかり あいのきざし」」
[エリアレポート]
「川島小鳥写真展」
「東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」」
[エリアレポート]
藤田嗣治
大阪歴史博物館 「明治維新150年NHK大河ドラマ特別展「西郷どん」」
[エリアレポート]
西郷どん
「ポーラ美術館「ルドン ひらかれた夢 ―幻想の世紀末から現代へ」」
[エリアレポート]
ルドンひらかれた夢
「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル 肖像芸術
「ヴァンジ彫刻庭園美術館「須田悦弘 ミテクレマチス」」
[エリアレポート]
須田悦弘
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか 生誕110年 田中一村展 フェルメール展
縄文―1万年の美の鼓動 「江戸名所図屏風」と都市の華やぎ 特別展 人形師 辻村寿三郎 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2018 スタート!!
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社