インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  駒井哲郎 ─ 煌めく紙上の宇宙

駒井哲郎 ─ 煌めく紙上の宇宙

■色鮮やかな作品も
【会期終了】 詩情豊かなモノクロームの作品で知られる、銅版画家の駒井哲郎(1920-1976)。日本ではメジャーといえなかった銅版画を追及し、国内外で高い評価を受けました。版画や詩画集など駒井の作品約210点に、関連作家作品約70点を加えた大規模な展覧会が、横浜美術館で開催中です。
1950年代、日本の版画は世界を席捲していましたが、その嚆矢が駒井哲郎。1951年に木版画の齋藤清とともに「第1回サンパウロ・ビエンナーレ」で材聖日本人賞、翌年には木版画の棟方志功と「第2回ルガノ白と黒国際版画ビエンナーレ」の9人賞を受賞と、その実力を示しました。

受賞作も含め、駒井といえばモノクロの作品が代表的ですが、実は多色刷りも多数手がけています。展覧会では、あまり知られていないカラフルな作品も含め、関連作家の作品とあわせて、駒井の歩みを6章で紹介していきます。

第1章「銅版画との出会い」。14歳で銅版画に出会った駒井。当時、美術における版画の位置づけは曖昧で、美術系大学に版画科はありませんでした。駒井も東京美術学校では油画科予科に入学。臨時版画教室などで研鑽し、銅版画の技術を身に付けていきます。初期の作品は写実的な水辺の風景、ホイッスラーからの影響が感じられます。

第2章「戦後美術の幕開けとともに」。駒井を飛躍させたのが、木版画家・恩地孝四郎との出会いです。1947年に恩地が主宰した版画研究会「一木会(いちもくかい)」の同人となり、内的な心象風景をあらわす作風に変化。技術的にも面の表現に取り組み、内外で脚光を浴びるようになります。

第3章「前衛芸術との交差」。駒井も一時期参加した実験工房は、1951年から57年に活動した総合芸術グループです。詩人・美術評論家の瀧口修造のもとに造形作家・作曲家・ピアニスト・照明家など14人が集いました。駒井はグループの中ではひと回り年長で、他のメンバーにとっても駒井の存在は大きな刺激になりました。




第4章「フランス滞在と「廃墟」からの再生」。1954年に駒井は渡仏し、銅版画の本場でデューラーやレンブラントなどの版画に触れました。1年半後に帰国するも、伝統の重さを実感して自信喪失気味に。樹木を題材にしたシリーズから、徐々に立ち直っていきました。

第5章「詩とイメージの競演」。駒井は詩人とも数多く共作しています。1958年に詩人・大岡信の詩に寄せた版画を制作して以来、親しく交遊。安東次男とは、詩画集『からんどりえ』『人それを呼んで反歌という』を続けて制作しています。

第6章「色彩への憧憬」。駒井は1950年代から色刷りを手掛けていますが、「白と黒の作家」である事への自負からか、生前は発表しませんでした。ただ、晩年になるにつれて色彩あふれる作品が目立つのは、敬愛するルドンへの思いが透けて見えます(ルドンも晩年はカラフルな作品を描きました)。

脈々と続いてきた木版画とは異なり、日本における銅版画は長くマイナーなジャンルでしたが、その荒野を切り開いたのが駒井。56歳没と、短命だった事が惜しまれます。

今回は会場にて、駒井愛用の品々も展示されています。銅版画のさまざまな技法についても、やさしい言葉で解説されています。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年10月12日 ]

駒井哲郎(日本現代版画)駒井哲郎(日本現代版画)

駒井 哲郎(著)

玲風書房
¥ 6,200

 
会場横浜美術館
開催期間2018年10月13日(土)~12月16日(日)
所在地 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
TEL : 045-221-0300
HP : https://yokohama.art.museum/
展覧会詳細へ 駒井哲郎 ─ 煌めく紙上の宇宙 詳細情報
取材レポート
国立西洋美術館「松方コレクション展」
松方コレクション展
東京国立近代美術館「高畑勲展 ― 日本のアニメーションに遺したもの」
高畑勲
渋谷区立松濤美術館「美ら島からの染と織 ― 色と文様のマジック」
美ら島からの染と織
国立新美術館「クリスチャン・ボルタンスキー ― Lifetime」
ボルタンスキー
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
森美術館「塩田千春展:魂がふるえる」
塩田千春
Bunkamura ザ・ミュージアム「みんなのミュシャ」
みんなのミュシャ
東京国立博物館「日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」」
特別展「三国志」
横浜美術館「原三溪の美術 伝説の大コレクション」
原三溪の美術
根津美術館「優しいほとけ・怖いほとけ」'
優しい 怖い ほとけ
国立歴史民俗博物館「もののけの夏
もののけの夏
国立科学博物館「特別展 「恐竜博 2019」
恐竜博 2019
東京国立博物館「特別企画 奈良大和四寺のみほとけ」
奈良大和四寺
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
三菱一号館美術館「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン
M.フォルチュニ
パナソニック汐留美術館「マイセン動物園展」
マイセン動物園展
日本科学未来館「企画展「マンモス展」 その「生命」は蘇るのか」'
マンモス展
千葉市美術館「没後60年 北大路魯山人 古典復興 ― 現代陶芸をひらく ―」
北大路魯山人
エリアレポート MIHO MUSEUM「紫香楽宮と甲賀の神仏―紫香楽宮・甲賀寺と甲賀の造形」
[エリアレポート]
紫香楽宮と甲賀神仏
エリアレポート 東京オペラシティアートギャラリー「ジュリアン・オピー展」
[エリアレポート]
ジュリアン・オピー
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 「みんなのレオ・レオーニ展」
[エリアレポート]
レオ・レオーニ展
大阪市立東洋陶磁美術館「フィンランド陶芸+マリメッコスピリッツ」
[エリアレポート]
フィンランド陶芸
エリアレポート 豊田市美術館「クリムト展 ウィーンと日本 1900」
[エリアレポート]
クリムト
三井記念美術館「日本の素朴絵 ― ゆるい、かわいい、たのしい美術 ―」
[エリアレポート]
日本の素朴絵
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
特別展 「恐竜博 2019」 特別展「三国志」 唐三彩 ― シルクロードの至宝 ― 特別展「ニャンダフル 浮世絵ねこの世界展」
国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 生誕90周年記念 手塚治虫展 マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン 展
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、7/30から投票開始です!!
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社