インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  染付 ― 世界に花咲く青のうつわ

染付 ― 世界に花咲く青のうつわ

■時代を超えて、地域を超えて
【会期終了】 白地に藍青色で文様が描かれたやきもの、染付(そめつけ)。17世紀に日本に伝わり、現在も普段づかいのうつわで使われるなど、広く愛されている技法です。出光コレクションの染付を一堂に集め、さまざまな角度からその魅力を紹介する展覧会が、出光美術館で開催中です。
染付のルーツは中国ですが、展覧会は1世紀の東地中海のうつわから。藍色と白色ガラスによるマーブル模様、青色ガラスで作られた香油瓶など、青はオリエントで広く愛された色です。

中国では染付を「青花」と呼びます。宮廷用の窯、官窯があった景徳鎮で、元・明・清時代に最高峰の青花磁器が作られました。不思議な形の燭台《青花牡丹唐草文八角燭台》は、イスラム圏の金属製燭台がモデル。西アジア向けの輸出品が作られていた事がわかります。

景徳鎮の青花磁器には、興味深い作例も。《青花瓜文鉢》には色の滲みがみられますが、実はわざと滲んだように描いています。技術的に滲みが避けられなかった明時代の文様を、あえて清時代に再現する事で、歴史を受け継いでいる事を示しています。



中国の影響を受け、朝鮮やベトナムでも青花が生まれました。ただその表現は、原料(土やコバルト顔料)、風土、文化の違いにより、中国の青花とは違いが見られます。

日本の染付といえば、伊万里。江戸時代には浮世絵に描かれるなど庶民にも広まり、さまざまなかたちの染付がつくられました。《染付草花文樽形瓶》は、木製の樽のかたちを細部まで写しています。

染付の中には、青一色ではないものもあります。染付の青に濃緑と紅を加えた、鍋島藩窯の《色絵更紗文皿》は遠くで見ると、実際には使われていない紫色が浮かんでくるよう。まるでスーラの絵画のようです。

日本や中国で作られた染付は欧州へ輸出され、それらを写したうつわが現地でつくられるなど、欧州の陶磁器文化にも強い影響を与えています。

輸出向けの青花磁器の中には、奇妙な図柄も。《青花西洋人物文筒形花瓶》には、蝙蝠(こうもり)が描かれています。中国では吉祥の文様ですが、西洋では忌み嫌われている事を知らなかったのでしょうか。

会場の最後には、5点の皿が並びます。シリアが2点、イランが2点、そしてドイツの皿。時代も材質も異なりますが、同心円状の文様、青で描かれた植物と、共通性があります。現在は政治的・宗教的に分断されている地域ですが、同じようなうつわを愛している歴史があるのです。

展覧会の後には、美術館奥の「陶片室」の見学もお忘れなく。日本各地・アジア諸地域の古陶磁片が展示されている陶片室には、もちろん染付の陶片もあります。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年1月30日 ]

日経おとなのOFF 2019年 1月号日経おとなのOFF 2019年 1月号

日本経済新聞社(編)

日経BP社
¥ 820

 
会場出光美術館
開催期間2019年1月12日(土)~3月24日(日)
所在地 東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9F
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://idemitsu-museum.or.jp/
展覧会詳細へ 染付 ― 世界に花咲く青のうつわ 詳細情報
取材レポート
町田市立国際版画美術館「美人画の時代―春信から歌麿、そして清方へ―」
美人画の時代
国立科学博物館「特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて」
特別展 ミイラ
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」
美のたからばこ
横浜美術館「オランジュリー美術館コレクション
オランジュリー
国立西洋美術館「ハプスブルク展
ハプスブルク展
太田記念美術館「ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち ―悳俊彦コレクション」'
ラスト・ウキヨエ
東京国立近代美術館工芸館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション
竹工芸名品
東京国立博物館「正倉院の世界
正倉院の世界
五島美術館「特別展 美意識のトランジション ─ 十六から十七世紀にかけての東アジアの書画工芸 ─」
美のトランジション
東京都美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」'
コートールド美術館
国立歴史民俗博物館「ハワイ:日本人移民の150年と憧れの島のなりたち」
ハワイ:日本人移民
上野の森美術館「ゴッホ展」'
ゴッホ展
神奈川県立近代美術館
ふたたびの「近代」
Bunkamura
リヒテンシュタイン
国立新美術館「カルティエ、時の結晶」
カルティエ
福田美術館「開館記念 福美コレクション展」
福田美術館 開館
パナソニック汐留美術館「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」'
デュフィ
三井記念美術館「茶の湯名椀『高麗茶碗』」'
高麗茶碗
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
エリアレポート MIHO MUSEUM「The 備前 ―土と炎から生まれる造形美―」
[エリアレポート]
The 備前
エリアレポート 名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」
[エリアレポート]
カラヴァッジョ
エリアレポート 岐阜県美術館「リニューアルオープン特別企画」
[エリアレポート]
岐阜美リニューアル
エリアレポート 京都国立近代美術館「円山応挙から近代京都画壇へ」
[エリアレポート]
円山応挙
エリアレポート 秋田県立美術館 「特別展 キスリング展 エコール・ド・パリの巨匠」
[エリアレポート]
キスリング
エリアレポート 岡山芸術交流2019 「IF THE SNAKEもし蛇が」
[エリアレポート]
岡山芸術交流
エリアレポート 国立科学博物館「風景の科学展 芸術と科学の融合」
[エリアレポート]
風景の科学展
エリアレポート 横尾忠則現代美術館「横尾忠則 自我自損展」
[エリアレポート]
横尾忠則 自我自損
エリアレポート 中之島香雪美術館 「交流の軌跡―初期洋風画から輸出漆器まで」
[エリアレポート]
交流の軌跡
エリアレポート 県立神奈川近代文学館 特別展「中島敦展 ― 魅せられた旅人の短い生涯」
[エリアレポート]
中島敦
エリアレポート 東京オペラシティ アートギャラリー「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」
[エリアレポート]
カミーユ・アンロ
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 御即位記念特別展「正倉院の世界 ― 皇室がまもり伝えた美 ―」
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 カラヴァッジョ展 ラウル・デュフィ展 ― 絵画とテキスタイル・デザイン ― 特別展 「大浮世絵展 ー 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演 ー」
博物館・美術館検索
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「猪」
グランプリは「ペッカリー(ヘソイノシシ)象形土偶」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社