誰でも欲しいお金をタダで貰えるのに、断ってしまう場合もある? にわかには信じ難い話ですが、この企画展で思い知らされる事となります。
日本の行動経済学の第一人者である大竹文雄氏(大阪大学)が総合監修する本展。脳科学、心理学、ゲーム理論、物理学、経済学の力を結集してお金の使い方に現れる人間のクセを明らかにし、お金と正面から向き合い、行動するための心構え―「おかね道(どう)」を身につける、という企画です。
会場入口会場は
日本科学未来館1階の企画展示ゾーンa。個性的なイラストは“いぬんこ”さんです。
まず入口で「おかね道手帖」を貰います。全体が1つの町のようになっており、町に点在する10の実験場をまわりながら、「おかね道手帖」にスタンプを押したり、書き込んだりしながら実験結果を記録していく趣向です。
豪華とは言い難い会場ですが、演出は楽しい仕掛けがいっぱい例えば、実験2は「ヒューリスティクスの実験場」。聞き慣れない名前ですが、実験そのものは「買いたいほうの宝くじを選ぶ」など、二種択一の簡単なものばかりです。この実験では、設問の答えを「おかね道手帖」にスタンプを押して進みます。
実験2「ヒューリスティクスの実験場」すべての設問に答えた後「おかね道手帖」を分析してもらうと、筆者の場合は以下の結果となりました…
実験2を解析すると…実験結果は片寄りがあることが多く、その理由が「タネあかし」として解説されます。何気ない選択や行動の結果が、振り込め詐欺やバブル景気など、さまざまな社会問題につながっているのです。
それほど大きな宣伝をしていないように思われますが、これは相当楽しい企画。筆者は自分の浅はかさをズバリと指摘され、かなり反省しました。パッケージにして、他館での展示も検討していただきたいと強く思います。