ビギナーにとっては、ちょっと敷居が高いように思える現代美術。東京国立近代美術館の「アーティスト・トーク」は、現代美術への入門篇でもあり、現在までに30回を数えているロングラン企画です。

本展は、絵画に焦点をあてて12人の作家をセレクト。東京国立近代美術館が所蔵している作品とともに、当時のトークのダイジェスト映像も会場で放映し、作品と一緒に見せています。


会場

展示された12人は、1970年代末から80年代にかけて発表を始めた作家たち。並んだ作品は表現方法もモチーフもさまざまで、創作へのプロセスもそれぞれ異なりますが、作家自身の言葉による解説を聞くと、意外なほどすんなりと頭に入ってきます。

最初は「この絵は、こんな人が描いたんだ」という取っ掛かりでも良いかもしれません。見ているうちに「この人は、こんな事を考えているんだ」。ここまで至ればしめたもの。作品との距離が、一気に縮まってきます。


会場

会場で流されている映像はダイジェストとはいえ、それでもそれぞれ15分程度。12人分を全て見るのはなかなか大変ですが、本展では12人の画家のトークのハイライトを文庫サイズの小冊子にし、会場で無料配布しています（おひとり一冊）。作家1人あたり文章は3ページで、「帰りの電車の中でも気軽に読んでいただきたい」という試みです。

さらにもうひとつ。東京国立近代美術館では12人の画家のトークからそれぞれ印象的な言葉を集め、約4分のプロモーションビデオを作成し、YouTubeで配信しています。まずは以下の動画で予習して、気になる言葉の続きは会場でご覧ください。
[ 取材・撮影・文：古川幹夫 ／ 2013年6月13日 ]


東京国立近代美術館　「プレイバック・アーティスト・トーク」展　プロモーションビデオ