近未来的なメカニック、独特な動きの人形…それまでに見たことが無い特撮映像で多くのファンに愛されたサンダーバード。日本では1966年にNHKで放映され、その後も何度も再放送されました。
再来年には50周年を迎えるサンダーバードの世界を、当時を知る人はもちろん、初めて見る人も楽しめるように企画された本展。製作総指揮のジェリー・アンダーソン氏は昨年末に亡くなっており、その哀悼の意も込めています。
会場では特撮シーンの再現のほか、大ヒットしたプラモの箱も展示会場でひときわ目を引くのは、サンダーバードギャラリーの各所にある精巧なミニチュア。
南太平洋の秘密基地トレーシーアイランドにあるトレーシー邸も、このとおり。電気がつくと、内部までバッチリです。
邸宅は2階建て。一家が団らんするラウンジは、国際救助隊の指令本部です人気を集めそうな企画が、こちらの参加体験型展示。
最新機器「消火ビーム」で消化訓練に参加しますが、実は世界制覇をたくらむフッドの策略で…。国際救助隊と力をあわせて、火の海から街を救ってください。
国際救助隊と一緒に街を救う、レスキューアトラクションの展示。芝居が入った演出もGood!劇中に描かれた未来の暮らしを、科学の視点から分析する「先端科学技術展示」は、日本科学未来館ならではの企画です。
サンダーバードのスーパーメカを実現可能にするであろう、軽くて強い“炭素繊維複合材料”。一人乗りのサンダーバード3号に倣うように、少人数での打ち上げが可能になった新型ロケット“イプシロン”。夢の世界として描かれたサンダーバードと、現在の日本の先端科学技術やアイディアを比較紹介します。
「先端科学技術展示」会場の冒頭には、サンダーバードメカが出動する本編映像を3D映像化したシアターもあります。CGで何でも描けてしまう現在の特撮とは比べようがありませんが、小さな模型を大きく見せる、動きに制約がある人形でも感情を表現しようとする製作スタッフの熱い心は、現在の私たちにも響きます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年7月9日 ]©ITC