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    レポート
    「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」
    国立新美術館 | 東京都
    豪華なコレクションが日本上陸
    「これを見ずに印象派は語れない」。刺激的なコピーがついた展覧会が国立新美術館で始まりました。収蔵作品の貸し出しは限定的だったワシントン・ナショナル・ギャラリー、改修工事で千載一遇のチャンスが訪れました!
    ファンが多いルノワールは6点も。
    エドゥアール・マネ 《鉄道》/1873年 油彩・カンヴァス/National Gallery of Art, Washington/Gift of Horace Havemeyer in memory of his mother, Louisine W. Havemeyer
    展覧会は4章構成。こちらは第2章の「印象派」。
    メアリー・カサット 《青いひじ掛け椅子の少女》/1878年 油彩・カンヴァス/National Gallery of Art, Washington/Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon
    第3章「紙の上の印象派」。素描や水彩など、すべて日本初公開。
    第4章「ポスト印象派以降」。右端はゴッホ《自画像》
    内覧会には多くのTV局も。お目当てはルノワール。
    会場入口。音声ガイドも借りられます。
    今回のオミヤゲは、クリアファイル(500円)と、ふせん(400円)。ふせんは貼るのがもったいないです。

    世界有数の規模を誇る米国の美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー。年間500万人が訪れるこの美術館は12万点の収蔵品を擁しており、特に印象派とポスト印象派の質が高いことは良く知られています。


    同美術館は、米国の銀行家で財務長官だったアンドリュー・W・メロンが基金と自身のコレクションを連邦政府に寄贈したのがきっかけ。同美術館のコレクションは、寄贈者からの意向などによって、通常は限られた数しか一度に貸し出さないという不文律があり、まとまった数を館外で鑑賞することは困難でしたが、今年は同美術館は西館を大規模改修中。それにともなって、計83点を貸し出せることになったのです。


    出品された83点も豪華そのもの。56点が油彩で、マネ(5点)、モネ(6点)、ルノワール(6点)、セザンヌ(6点)、ゴッホ(3点)等々。うち23点は日本初公開です。また、油彩以外の素描、水彩なども27点が出品。これらは作品保護のために同美術館内でもめったに公開されないもので、全て日本初公開となります。


    第2章「印象派」。印象派の生みの親でもあるモネの4作品。


    出品作の中で目玉のひとつと言えるのが、マネの「鉄道」(1837年)。この作品はマネが当時パリで最も権威ある展覧会だったサロンに出品した3点の油彩画の中で、唯一、入選を果たした作品で、パリのサン=ラザール駅が舞台。マネの作品は謎のモチーフがあることも多いのですが、この作品でも、なぜか少女の脇にぶどうが置かれています。


    会場は東京・乃木坂の国立新美術館。企画展示室1Eで、絵の間を広くとって、ゆったりと鑑賞できるようになっていました。展覧会のテーマソングアンジェラ・アキさん(ジョージ・ワシントン大学卒)が歌ったり、絵画に登場する犬を「ワシントン犬(けん)」としてピンバッジにしたりと、楽しい企画も盛りだくさんです。


    まさに「お宝」といえる秀作が目白押し。ワシントン・ナショナル・ギャラリーの館長も「今回の展覧会ほど充実した企画は、恐らく二度とできない」という特別展。これを見逃したら、次は飛行機のチケット予約が必要になると思います。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年6月7日 ]


    第4章「ポスト印象派以降」 

    会場
    会期
    2011年6月8日(水)~9月5日(月)
    会期終了
    開館時間
    <企画展>
    10:00~18:00
    ※当面の間、夜間開館は行いません。
    ※入場は閉館の30分前まで
    <公募展>
    10:00~18:00
    ※美術団体によって、異なる場合があります。
    ※入場は閉館の30分前まで
    休館日
    毎週火曜日(祝日又は振替休日に当たる場合は開館し、翌平日休館)
    年末年始
    住所
    〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.nact.jp
    展覧会詳細 「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 詳細情報
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