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    レポート
    三菱一号館美術館名品選2013 -近代への眼差し 印象派と世紀末美術-
    三菱一号館美術館 | 東京都
    19世紀の名画、149点がずらり
    開館から3年余。独創的なテーマの企画展はいつも美術ファンに注目されている三菱一号館美術館で、コレクションだけをまとめて紹介する展覧会が始まりました。
    ピエール=オーギュスト・ルノワール《長い髪をした若い娘(麦藁帽子の若い娘)》1884年 三菱一号館美術館寄託
    カミーユ・ピサロ《窓から見たエラニーの通り、ナナカマドの木》1887年 三菱一号館美術館寄託
    オディロン・ルドン《『夢のなかで』X.皿の上に》1879年 三菱一号館美術館蔵(左)
    (左から)アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ベルフォール》1895年 三菱一号館美術館蔵/アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《メイ・ミルトン》1895年 三菱一号館美術館蔵
    ピエール=オーギュスト・ルノワール《パリスの審判》1908年 三菱一号館美術館寄託
    (左から)モーリス・ドニ《ばら色の船》1893年 三菱一号館美術館蔵/アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ラルティザン・モデルヌ》1896年 三菱一号館美術館蔵
    オディロン・ルドン《グラン・ブーケ(大きな花束)》1901年 三菱一号館美術館蔵
    ピエール・ボナールの作品が並ぶ
    今までに三菱一号館美術館で開催された企画展の図録を読めるコーナーも
    明治時代には三菱合資会社の銀行部などが入っていた三菱一号館は、1894(明治27)年に完成。一度は取り壊されましたが、残された図面を元に復元されたのが、現在の赤レンガの建物です。

    復元には残っていた当時の部材を用いたほか、できる限り明治期に近い素材を調達し、2010年、美術館として蘇りました。

    今回の展覧会では、同館の西洋美術コレクションの主要作品を公開。ミレー、ルノワール、モネ、トゥールーズ=ロートレックなど、錚々たる画家の作品が並びます。


    会場入口から

    展覧会のメインビジュアルは、流れるような描線で描かれた《長い髪をした若い娘(麦藁帽子の若い娘)》。展覧会の最初のほうで登場します。

    ルノワールが新しい画風を模索していた時代に描かれた作品。印象派時代とは異なり、顔や手には輪郭線が描かれているのが特徴的です。


    ピエール=オーギュスト・ルノワール《長い髪をした若い娘(麦藁帽子の若い娘)》1884年 三菱一号館美術館寄託

    開館当初からのコレクションの核が、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック。三菱一号館美術館では2011年にロートレック展を開催しています。

    三菱一号館美術館のロートレック作品は、本人が死の直前まで手元に保有し、画商かつ親友だったモーリス・ジョワイヤンに託した作品群が主体。正当性や保存状態の良さは折り紙つきです。


    ロートレックの作品が並ぶ

    三菱一号館美術館では2014年の展覧会スケジュールも発表されています。注目は6月開催の「ヴァロットン ─ 冷たい炎の画家」展。日本での知名度は高くありませんが、鮮烈なコントラストの木版画は高い評価を得ています。

    本展でもひと足早く、ヴァロットンの作品を公開。高いデザイン性はもちろん、シニカルな視点にも注目してください。


    ヴァロットンの木版画

    そして、終章近くで三菱一号館美術館の目玉作品のひとつ《グラン・ブーケ》が登場します。

    ルドンが描いた最大のパステル画は、248.3×162.9cmという大きさ。ブルゴーニュの城館で秘蔵されて110年にわたって非公開だった作品を、2010年に三菱一号館美術館が新収蔵しました。

    零れるばかりの鮮やかな花々。すでに何度か公開されている作品ですが、何回見てもその存在感には圧倒されます。


    オディロン・ルドン《グラン・ブーケ(大きな花束)》1901年 三菱一号館美術館蔵

    公式ホームページもリニューアルし、ますます元気な三菱一号館美術館。10月11日(金)からは、新たに三菱一号館美術館サポーター制度(MMS)もスタートします。

    本人が何度でも入館できるのは珍しくありませんが、MMSは同伴者1名も無料で入館できるという驚きの内容。多くの人に三菱一号館美術館を楽しんでもらいたいという、意欲的な太っ腹企画です。

    各展覧会で1回、サポーター限定の貸し切り鑑賞会も実施。カフェのサービスもあって、年会費は10,000円。これは話題になりそうです。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年10月3日 ]


    料金一般当日:1,200円 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2013年10月5日(土)~2014年1月5日(日)
    会期終了
    開館時間
    10時~18時 / 金(祝日を除く)のみ10時~20時
    ※10/5より開館時間が変更になりました。
    ※いずれも最終入館は閉館30分前まで
    休館日
    月曜日休館(月曜日が祝休日の場合は翌平日) 12月28日(土)~1月1日(水祝)は閉館
    住所
    東京都千代田区丸の内2-6-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://mimt.jp/
    料金
    一般 1,200円/高校・大学生 800円/小・中学生 400円
    展覧会詳細 三菱一号館美術館名品選2013 -近代への眼差し 印象派と世紀末美術- 詳細情報
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