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    レポート
    東海道五拾三次 ─ 江戸の旅事情 お伊勢参りと物見遊山 ─
    【2025年度中まで全館休館予定】東京都江戸東京博物館 | 東京都
    広重10歳の作品も
    江戸から京都までの53の宿場町を舞台に、自然や町並み、人々を叙情豊かに描いた、歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次」。江戸東京博物館で、二年連続の展示です。
    (左から)歌川広重《吉原 左富士》/歌川広重《原 朝之富士》
    歌川貞秀《東海道 箱根山中図》
    (左手前)葛飾北斎《東海道名所一覧》
    (奥の壁面)《伊勢参宮奉納絵馬》
    当時の旅道具
    (左)歌川広重《京師 三條大橋》
    伝歌川広重(安藤徳太郎)《三保松原図》
    会場前には、自分が駒になって遊べる巨大な「新坂道中すご六」
    プレス内覧会には山駕籠と旅姿町人も登場しました
    江戸東京博物館の開館20周年を記念し、2013年2月~3月に全55点が一堂に展示された保永堂版「東海道五拾三次」。来館者の熱い要望に応えるかたちで、約1年後の再展示となりました。


    会場入口から

    歌川広重は東海道シリーズの浮世絵を20種以上描いています。保永堂版「東海道五拾三次」は最初に手掛けた作品で、名所絵師としてその地位を確立した大ベストセラーです。

    江戸時代後期は庶民の間にも伊勢参りが流行。交通の要所だった東海道は、文化交流の舞台としても賑わいました。世界文化遺産に登録された富士山も東海道の観光名所で、55図中7図に富士山が描かれています。


    会場

    展覧会では旅道具なども紹介されています。帯に通して使う小銭入れ「早道」、今ならライターの「火打袋」、"お猿の駕籠屋"でも知られる「小田原提灯」など。江戸時代の旅姿が浮かんでくるようです。

    細かな数字が並ぶ表は「東海道中山道里程附」。東海道と中山道の各宿場間の距離をまとめたもので、折りたたんで持ち運べるようになっていました。

    旅の足元は、もちろん草鞋(わらじ)です。草鞋は3日で2足履きつぶす消耗品のため、街道沿いの茶屋などで売っていました。


    旅道具の紹介

    会場の最後は、歌川広重について。広重は火消屋敷に生まれ、定火消同心を継ぎましたが、幼少期から絵が好きで歌川豊広の門人に。やがて同心を辞め、絵師に専念しました。

    会場には広重愛用の品々のほか、遺言状も紹介されています。広重の死因はコレラと言われていますが、遺言の内容などから疑問視する説もあります。

    江戸東京博物館で初公開となるのが、広重が10歳の時に描いたと伝わる「三保松原図」。構図は違いますが、広重は20数年後に保永堂版「東海道五拾三次」でも三保松原を描いています。


    最後が広重10歳の作と伝わる「三保松原図」

    会期冒頭の2014年1月2日(木)・1月3日(金)は、常設展の観覧料が無料。本展も無料でお楽しみいただけます。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年12月20日 ]

    歌川広重保永堂版 東海道五拾三次

    町田市立国際版画美術館 (監修), 佐々木 守俊

    二玄社
    ¥ 2,100

     
    会場
    会期
    2014年1月2日(木)~2月2日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:30
    ※入館は閉館の30分前まで。
    休館日
    1月6日(月)、27日(月)
    住所
    東京都墨田区横網1-4-1
    電話 03-3626-9974(代表)
    公式サイト http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
    料金
    一般 600円
    大学生・専門学校生 480円
    中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円
    中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児童 無料
    展覧会詳細 東海道五拾三次 ─ 江戸の旅事情 お伊勢参りと物見遊山 ─ 詳細情報
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