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    レポート
    トゥールーズ=ロートレック展
    三菱一号館美術館 | 東京都
    世紀末のモンマルトルに現れた、時代の寵児
    19世紀末のパリ。斬新な構図のポスターで一躍時代の寵児となったアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック。ロートレック作品を数多く所蔵している三菱一号館美術館で、大規模な作品展がはじまりました。
    右端がロートレックをスターダムに押し上げたリトグラフのポスター「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」(1891)
    左のポスターで踊り子のジャヌ・アヴリルは一躍有名になった
    同じ構図の2点のポスター。入れる文字を変えて別の目的に使われた
    会場
    リトグラフ「女性の研究」とその習作
    会場
    会場
    リトグラフ《賢者》の石版(文字入り前) 1893年 石版石 トゥールーズ=ロートレック美術館、アルビ Musee Toulouse-Lautrec--__-- Albi Inv. MTL PL 3/リトグラフ《賢者》の石版(文字入り後) 1893年 石版石 トゥールーズ=ロートレック美術館、アルビ Musee Toulouse-Lautrec--__-- Albi Inv. MTL PL 4
    私的なメニューカード。劇画化された仲間の姿も。
    ロートレックは1864年、由緒ある貴族の家系に生まれました。十代前半に両脚を骨折したこともあり、成長が身長150cmほどで止まってしまうという不幸に見舞われたものの、画家であった叔父や両親の後押しを得て、本格的に絵の道に進みます。

    パリでは歓楽街モンマルトルに惹かれ、キャバレーやダンスホールに通い詰めるとともに挿絵などを創作。1891年に手がけたリトグラフのポスター「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」は大評判となり、一躍注目を集めます。その後も精力的に創作を続けましたが次第にアルコールに心身を蝕まれ、36歳で早世しました。

    会場

    三菱一号館美術館は2010年4月の開館。開館時に美術館所蔵品の核としてあったのがロートレック作品で、本展はこれらの作品を紹介する初めての展覧会となります。

    作品はロートレック自身が生前に自分のアトリエにおいていたもので、版画の試し刷りや、希少な色違いの版画などのほか、親しい友人たちを招いて料理を振舞った晩餐会のための招待状やメニューカードなど、ロートレックの私的な生活と交友関係を垣間見ることもできる資料もあります。

    リトグラフ「女性の研究」とその習作

    展覧会では有名な数々のリトグラフポスターはもとより、前述した試し刷りの版画や、色違いの版画、また、三菱一号館美術館の姉妹館である仏アルビのトゥールーズ=ロートレック美術館から画塾時代の素描や油彩なども借り受け、故郷アルビの街とパリ・モンマルトルの歓楽街での創作活動が紹介されます。

    ロートレックの版画には、女優のマルセル・ランデールなど、自分が劇場通いの中で見つけたお気に入りの人物が描かれているものもあります。会場には人物の写真も一緒に展示されているものがあり、版画と実際の写真を見比べて楽しむこともできます。

    女優のマルセル・ランデールと、彼女を描いた版画

    ロートレックは美食家としても知られていますが、丸ビル一階の「丸の内カフェ ease」では4人のフレンチシェフがロートレックのレシピを再現。美術館に隣接するブリックスクエアにあるレストラン「ミクニ マルノウチ」や、美術館1階の「カフェ1894」でもロートレック展に合わせた特別メニューを用意するなど、楽しいコラボ企画も盛りだくさんです。公式サイトでご確認のうえ、お出かけください。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年10月12日 ]

    もっと知りたいロートレック―生涯と作品

    杉山 菜穂子 (著), 高橋 明也 (監修)

    東京美術
    ¥ 1,890

     
    会場
    会期
    2011年10月13日(木)~12月25日(日)
    会期終了
    開館時間
    10時~18時 / 金(祝日を除く)のみ10時~20時
    ※10/5より開館時間が変更になりました。
    ※いずれも最終入館は閉館30分前まで
    休館日
    毎週月曜(但し、祝日の場合は閉館し翌日休館)、年末年始、展示替え期間
    住所
    東京都千代田区丸の内2-6-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://mimt.jp
    展覧会詳細 トゥールーズ=ロートレック展 詳細情報
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