インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  [特別展]没後50年記念 川端龍子 ―超ド級の日本画―

[特別展]没後50年記念 川端龍子 ―超ド級の日本画―

■多様に変化する大胆な日本画
【会期終了】 大正から昭和にかけて活躍した日本画家、川端龍子。龍子は「たつこ」ではなく「りゅうし」と読み、女性ではなく男性です。日本画愛好家の方はご存知かもしれませんが、初めて作品を見る方も少なくないのでは。久しぶりの回顧展が山種美術館で開催中です。
川端龍子は1885年生まれ。画家としての初期は洋画を描いており、生活の為に本や雑誌の挿絵なども描きました。洋画家としてはなかなか芽が出ず日本画に転向しますが、後の作品に洋画の影響は色濃く見られます。

本展では教師からの評価が書きこまれた学生時代の作品や、挿絵を手がけた雑誌など初期の作品から代表作まで、川端龍子の画業を総覧することができます。


第1章 龍子誕生―洋画、挿絵、そして日本画―

龍子の日本画は、従来の「床の間芸術」に対し「会場芸術」と呼ばれ、批判されました。その名の通り、龍子の作品は従来の日本画の概念を超えた、大胆さを持っています。

《鳴門》は、荒々しい鳴門のうずを描いた屏風。高価な群青の絵の具を約3.6キロも使ったという画面を埋め尽す波の表現は力強く圧倒的ですが、龍子はこれを描くにあたって、鳴門の海を一度も見たことはなかったそうです。

会場一番奥に展示された《香炉峰》は、横幅7mを超える大作。大画面いっぱいに描かれた偵察機、そして中国の雄大な大地を機体を透かして描くウィットにとんだ表現で描かれます。乗り込むパイロットは龍子自身。従軍画家として取材した際の体験が元になっています。


《鳴門》1929(昭和4)年 、《香炉峰》1939(昭和14)年

濃紺地に金で描かれた草花が美しい《草の実》は、奈良から平安時代に作られた紺紙金泥経を参考にした作品です。近付いて見ると、勢いのよい筆遣いで描かれたススキの葉の表現に目を奪われます。

《爆弾散華》は、終戦直後に描かれた作品。龍子の自宅は空襲で被弾、龍子は無事でしたが、使用人2人が亡くなりました。吹き飛ぶ野菜と散らされた金箔は、戦争で散った命を象徴的に描いています。

昭和8年に描かれた《龍巻》の大画面にリアルに描かれたさかさまの海の生き物たちは、まさに龍巻に巻き上げられた姿です。国際情勢の緊張を、海の姿を通して描いた4連作の1作目で、下絵段階では、上下は逆さまだったそう。


《草の実》1931(昭和6)年、《爆弾散華》1945(昭和20)年 、《龍巻》1933(昭和8)年

展覧会を一巡すると、この作品すべて同じ人が描いたとは信じがたい、と思うほどに多様な作品群に驚きます。日本画になじみのない方でも、きっとお気に入りに出会えるのではないでしょうか。

川端龍子を総覧する展覧会は2005年以来、12年ぶり。会期残りわずかとなりました。山種美術館恒例の浴衣割引も実施中です。ぜひお出かけください。
[ 取材・撮影・文:川田千沙 / 2016年6月24日 ]

東京美術館案内 (マップル) 東京美術館案内 (マップル)

昭文社 旅行ガイドブック 編集部

昭文社
¥ 1,296

 
会場山種美術館
開催期間2017年6月24日(土)~8月20日(日) ※会期中、一部展示替え有
所在地 東京都渋谷区広尾3-12-36
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.yamatane-museum.jp/
展覧会詳細へ [特別展]没後50年記念 川端龍子 ―超ド級の日本画― 詳細情報
取材レポート
文豪・泉鏡花×球体関節人形~迷宮、神隠し、魔界の女~
泉鏡花×人形
「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」が開館
森ビル×チームラボ
江戸東京博物館「発掘された日本列島 2018」
発掘された日本列島
国立新美術館「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」
ルーヴル 肖像芸術
国立映画アーカイブ「没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」
旅する黒澤明
書物工芸 ―柳宗悦の蒐集と創造
書物工芸
渋谷区立松濤美術館「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」
アンティークレース
太田記念美術館「江戸の悪 PARTⅡ」
江戸の悪 PARTⅡ
東京国立近代美術館「ゴードン・マッタ=クラーク展」
マッタ=クラーク
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がリニューアルオープン
岐阜かかみがはら
航空宇宙博物館
没後50年 河井寬次郎展 ―過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今―
河井寬次郎展
JRA競馬博物館がリニューアルオープン
JRA競馬博物館
「川島小鳥写真展「つきのひかり あいのきざし」」
[エリアレポート]
「川島小鳥写真展」
「ルーヴル美術館展 肖像芸術-人は人をどう表現してきたか」
[エリアレポート]
ルーヴル展
「ミホミュージアム 「赤と青のひみつ 聖なる色のミステリー」」
[エリアレポート]
「赤と青のひみつ」
第3回 インターネットミュージアム検定
ミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2018年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊) 博物館・美術館の情報
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。 生誕150年 横山大観展 縄文―1万年の美の鼓動 ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか
巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで― 野口哲哉「~中世より愛をこめて~ From Medieval with Love」 [企画展]水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお― 琉球 美の宝庫
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「犬」
グランプリは 大和文華館 でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2017 ミュージアムキャラクターアワード
2017 結果発表
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2018 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社