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    レポート
    「ジパング展 - 31人の気鋭作家が切り開く、現代日本のアートシーン。 -」
    日本橋髙島屋S.C.本館 | 東京都
    現代美術の旗手31名、まさに百花繚乱
    国内には社会不安と閉塞感が漂っていますが、世界中にはこの国に憧れている若者がたくさんいます。720年前にマルコ・ポーロが紹介した黄金の国、ジパング。現代美術の世界にも日本には「お宝」が数多く眠っています。
    会田誠「大山椒魚」 センセーショナルな作品は「作品を発表するたびに顰蹙を買う」と三潴氏が評します。3.14m×4.2mという大作。
    三瀬夏之介「だから僕はこの一瞬を永遠のものにしてみせる」 横14.56mの超大作。展覧会のフライヤーにも使われている。
    渡邊佳織「開け心」 「いにしえごころ(古意)を理解する」と三潴氏。
    鴻池朋子「無題」 1.82m×5.44mの襖絵。三潴氏曰く「現代アート界に蘇った卑弥呼」
    手前は右から、町田久美「レンズ」「とまり木」、奥は天明屋尚「神風」
    池田学「ブッダ」 当初は、津波に文明が飲み込まれるかのような様を2008年に描いた作品「予兆」を出品する予定だったが、ジパング展での展示を諦念した。
    上田順平「ツカイノモノ」「ウラシマピーターパン」「キンタウルス」(左から) 陶磁器の作品。
    内覧会で挨拶する三潴末雄氏(右端)と参加アーティスト。
    内覧会当日は販売していなかったので出直して買いに行ったオミヤゲ。ワイド版ポストカード(190円)、メモパッド(330円)、一筆箋(340円)、A4クリアファイル3種(各350円)。もっと買いたかったのですが、予算が…
    「日本の現代美術の魅力を世界に向けて発信する。日本人自身にもその魅力を再認識して欲しい」というメッセージを込めて企画された展覧会、ジパング展。キュレーションはミヅマアートギャラリーの三潴末雄氏です。ミヅマアートギャラリーといえば、スタイルに捕らわれない独自の感性を持った日本人作家を国際的なアートシーンに紹介していることで知られています。「ギャラリストが企画した展覧会は、作家に対する愛が溢れている」というように、今回の展覧会でも豪華なメンバーの個性的な作品が揃いました。

    31人の参加アーティストは、会田誠、青山悟、池田学、石原七生、上田順平、O JUN、岡本瑛里、風間サチコ、樫木知子、熊澤未来子、鴻池朋子、近藤聡乃、指江昌克、染谷聡、棚田康司、束芋、天明屋尚、南条嘉毅、藤田桃子、町田久美、三瀬夏之介、宮永愛子、森淳一、山口藍、山口晃、山﨑史生、山本太郎、山本竜基、吉田朗、龍門藍、渡邊佳織の各氏(五十音順)。すでに各方面で大活躍している人もいれば、バリバリの売り出し中アーティストまでおり、作品も日本画的な手法、コミック風の表現、不気味にも愛らしくも見えるオブジェなど、アプローチ方法やテーマも様々。現代美術には馴染みがなかった方も、きっとお気に入りの作家を見つけることができると思います。

    会場は日本橋高島屋。これだけ多くの日本人現代アート作家を一度に紹介する展覧会を百貨店が開くのは、初めてです。今年創設180周年を迎えた高島屋は美術の支援にも積極的で、高島屋美術部の活動はなんと1911年(明治44年)から。その中では竹内栖鳳など、その後の日本美術のに大きな足跡を残した人物を早くから取り上げてきました。今回も評価の定まっていない若い美術家がいるにも関わらず、三会場での巡回開催になっており、同社のアートに対する積極的な姿勢は心強い限りです。

    震災による未曾有の国難の中、変わることなく日本が世界に誇るべきものの中に日本独自の文化力がある、と三潴氏は言います。独自の発展を続ける日本現代美術の世界、日本橋高島屋の後は大阪高島屋(2011年8月31日(水)~ 9月12日(月))、京都高島屋(2011年 9月28日(水)~ 10月10日(月・祝))と巡回されますが、東京での開催は6月20日(月)までの20日間のみ。お見逃しのないように!
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年5月31日 ]
     
    会場
    日本橋高島屋8階ホール
    会期
    2011年6月1日(水)~ 6月20日(月)
    会期終了
    開館時間
    10:30~19:30
    ※本館8階特別食堂とレストラン街及び地2階レストラン街は11:00~21:30
    休館日
    日本橋高島屋ホームページ等にてご確認ください。
    住所
    〒103-8265 東京都中央区日本橋2-4-1
    電話 03-3211-4111
    公式サイト http://zipangu.org
    展覧会詳細 「ジパング展 - 31人の気鋭作家が切り開く、現代日本のアートシーン。 -」 詳細情報
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