静岡県立美術館「開校100年 きたれ、バウハウス」
ユニークなデザイン教育のすべて
バウハウス開校100周年を記念した展覧会が静岡県立美術館に巡回してきたので、見に行ってきました。
天気も良くて、絶好の鑑賞日和!
1919年、第一次世界大戦後のドイツで創設された造形学校、バウハウス。名前は聞いた事がある方も多いのではないでしょうか。
会場入口、コロナのために残念ながら名作椅子には座れません
展覧会では、学校としてのバウハウスに注目して、授業の内容を紹介していました。
会場風景 写真提供:静岡県立美術館
入学した学生が最初に受ける基礎教育は、とてもユニーク。制作の前に運動する、両手で同時に線を書くなど、それって創作と関係あるの?と感じるものも。
基礎の後には金属、陶器、織物などの工房へ進級。それぞれの作品や資料が数多く展示されていました。
ヨゼフ・ハルトヴィッヒ 《チェス・セット》 1924年頃 ミサワホーム株式会社蔵
マルセル・ブロイヤー ネスト・テーブルB9-B9c 1929年 東京国立近代美術館蔵
ヨースト・シュミット ラッシュ社壁紙カタログ表紙「未来はバウハウス壁紙のもの」1931年 ミサワホーム株式会社蔵
目を引いたのが、バウハウスの歴史を記した年表。バウハウスはナチスの台頭で閉校になりますが、関係者の中にはナチスにより追放された人、他国に逃げた人、そしてナチスに協力した人もいました。やむを得ない時代とはいえ、考えさせられます。
会場風景 写真提供:静岡県立美術館
会場の前には、バウハウス関係者が作った名作椅子や、バウハウスの教育に倣って、異なった素材の触覚を比較するコーナーもありましたが、残念ながらコロナのために体験禁止でした。
静岡県立美術館もご紹介しましょう。美術館は1986年の開館。目玉はロダン彫刻の数々で、明るい大空間で《地獄の門》を中心 に32体の彫刻を散策するように見る事ができます。
明るいロダン館
《地獄の門》
美術館の建物は小高い丘の上にあり、下から進むと彫刻が点在する道を進む程よい散歩コースです。
美術館には再開を待ち詫びていたのか、思っていたより多くの人が。ただ、皆さんちゃんとマナーを守り、マスクをして、話も控えめ、距離を取って見ていました。
静岡県立美術館
美術館を出る人は、皆さんにっこり。美術館がふつうの方にも愛されているんだなぁ、と実感できたのが、一番の収穫だったかもしれません。
エリアレポーターのご紹介 | P. K-KO 話題の美術館や建築物をチェックして足を運ぶのが、休日の日課です。 いつかこんな美術品を収集したいと夢見ながら、鑑賞を楽しんでいます。
|
エリアレポーター募集中!あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?