じっくり、目を凝らして
豊田市美術館で開催中の展覧会「久門剛史 らせんの練習」に行ってきました。
待ち遠しくて、開館前に到着!
久門剛史(ひさかどつよし)さんは1981年生まれの現代美術家。あいちトリエンナーレ2016などに出展して活躍していますが、国内で大規模な個展を開くのは、これがはじめてです。
最初の展示室には、壁面に金属製の機械がたくさん付いています。機械はコピーの給紙トレイのような仕組みで、しばらく見ていると、それぞれの機械から、白い紙がヒラヒラと床へ。床は一面、落ちてきた紙で覆われています。
最初の大きな展示室は、新作のインスタレーション「Force」
ひとつひとつの機械から、紙が落下します
裸電球は、ときおり点滅します
ミラーボールの作品は《after that》。壁に映った光を良く見ると、時計の針が動いているのが分かります。ミラーボールの鏡の部分に小さな時計がついており、その影が写っています。
ミラーボールの作品《after that.》
先に進むと、ケース形の作品が並ぶ展示室へ。「丁寧に生きる」と題したインスタレーションです。一番手前は、久門さんのデビュー作でもある《らせんの練習》、シャーペンの芯を使った動く作品です。
インスタレーション「丁寧に生きる」
《らせんの練習》 シャーペンの芯がゆっくり回り、円弧を書いていきます
最初の作品も、この仕組みを利用しているんだと思います
「円」を意識させる作品が多いな、と思いながら進むと、《crossfades #1》で納得。秒針の先についた小さなルーペを除くと、とても細かな数字がありました。
《Quantize #7》
最後はシルクスクリーンを利用した、29点組みの平面作品。こちらも最初は円のかたちだけが目に入りますが、近寄ると数字が見えてきます。という事は…と思い直して、会場の最初から見直すと、おっ!こんな所にも!
ぜひ、ゆっくりと鑑賞していただきたいと思います。
《crossfades #4》(29点組)
《crossfades #4》に近寄ると、一目瞭然です
ワークショップルームには、久門さんのドローイングが。ここは撮影できませんでしたが、綿密なドローイングが印象的でした。
ご本人がどのような方なのかも、とても気になりました。
豊田市美術館
豊田市美だけで見られるとは、なんという贅沢! コロナの関係で会期がだいぶ延びたのが幸いです。
エリアレポーターのご紹介 | S.E. 休日は時間ができると、ミュージアムをまわるのがいつのまにか習慣になりました。都会でも地方でも、気の向くままに足を伸ばしたいと思っています。
|
エリアレポーター募集中!あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?