京都・東山の目に鮮やかな濃い緑と、京都盆地特有の蒸すような暑さに迎えられて、京都国立博物館で開催中の「聖地をたずねてー西国三十三所の信仰と至宝―」展へ行ってきました。
会期変更で、7/23より公開!
今回の展覧会も、今年の他の展覧会の例にもれず、コロナの影響で、4/11開幕予定が、3か月余の遅れで、7/23よりの開催となりました。
2016年から始まった「西国三十三所草創1300年記念」事業の一環の展覧会ですから、何はともあれ、開催できて、本当に良かったと思います。
圧巻の、一堂に会した西国三十三所の仏像
今回の展覧会では、国宝、重要文化財など貴重な仏像はじめ、寺外への出陳が初めてとなる秘仏も公開されています。
日本最古の巡礼路「西国三十三所」は、総距離約1000㎞に及び、全ての札所を歩いて巡拝するには、数か月がかかると言われています。
そんな各札所が有する仏像をはじめ、さまざまな至宝が一堂に会しています。量、質ともに、見る者を圧倒します。
また、各札所では、間近に拝観するもこともかないませんし、なかなかその全容を見ることができませんが、展覧会においては、その精巧な細部までつぶさに見ることができます。
ひと彫りごとに込められた祈りと信仰、古の人々が祈りをささげた仏像を前にするとき、日本人が求めてきた信仰に心揺さぶられます。
庶民の信仰の篤さ、巡礼への憧憬
(笈摺:江戸時代)
大和国長谷寺の開基とされる徳道上人は、観音霊場三十三所の功徳を広めるため、西国三十三所を巡礼路として整え、成立させたとされています。
最初の修験者が中心としたものから、徐々に一般の人が巡礼するようになっていきます。現代に比べようもない旅の困難さにもかかわらず、三十三所観音曼茶羅図などによって、一般の人を巡礼に導きました。
(西国三十三所巡礼札 室町時代(16世紀)滋賀・石山寺)
当時の笈摺(おいずる)や巡礼札は、当時の人々の姿を思い起こさせます。
みうらじゅん・いとうせいこうの音声ガイドは必聴!
最近の美術展の音声ガイドは、有名な俳優・女優が起用されることが多く、しっとりとした語りに定評があります。
今回の展覧会の音声ガイドは、「見仏記」でおなじみのイラストレーターのみうらじゅん氏と作家のいとうせいこう氏です。仏像などにユニークな一家言をもつお二人の解説がとてもわかりやすいです。
京都国立博物館からは、京都タワーが見えます!
今回の展覧会は、京都国立博物館 平成知新館で行われます。
平成知新館の設計は、ニューヨーク近代美術館 新館などを設計した世界的建築家谷口吉生氏です。建物も十分、お楽しみください。
そして、一歩外に出れば、遠くに京都タワーが見えます。素敵な景色が、疲れたあなたを癒してくれます。
[ 取材・撮影・文:atsuko.s / 2020年7月22日 ]
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